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100億円の慰謝料請求がしたい!!

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ポイント説明

配偶者の不貞相手に慰謝料を請求したくても,いくら請求すればよいのか相場が分からないという方は多いはずです。

被った精神的苦痛を考えると,何千万請求しても足りない!と思われるでしょうが,一方で,「本当に払ってもらえるのか」という疑問もお持ちなのではないでしょうか。

ここでは,高額の慰謝料請求で生じ得る問題点についてお話しします。

不倫・浮気で慰謝料請求をしたい方は、相談料・着手金0円の成功報酬制で、弁護士が早期解決を目指します!不倫・浮気の慰謝料請求をお手伝いさせていただきます。

 

今回の記事の流れ

1 当事者間の合意

当事者間の合意

当事者間で合意を成立させた場合,その合意は原則として有効です。内容が合理的なものである以上,どういう約束をするかは個人の自由だからです。

そのため,「100万円で合意したけどやっぱり300万円欲しい」とか,「200万円は高すぎるからやっぱり50万円に減額してほしい」という合意の修正は,相手方が応じてくれない限り不可能です。

ただし,合意の内容によっては,無効になったり,取り消される可能性もゼロではありません。

 

2 強迫による取消の可能性(民法96条1項)

強迫による取消の可能性

例えば,慰謝料1000万円の支払いで合意が成立し,書面も作成したとします。しかし,合意書を作成するにあたって,「支払わなければ不貞を言いふらす」「サインしなければ痛い目を見る」等の発言をし,無理やり合意書を作成させたのであれば,強迫行為にあたります。合意書の作成をしていたとしても,民法96条1項により取り消される可能性があります。

また,刑法上も脅迫罪や恐喝罪が成立する可能性があります。

無理に慰謝料の支払を迫る行為は,不利益しかありませんから,絶対に避けるべきです。

 

3 公序良俗に反し無効になる可能性(民法90条)

合意が成立していても,あまりに高額な額であれば,公序良俗(公の秩序又は善良な風俗)に反することになりますから,民法90条により無効になる可能性があります。

いくらであれば無効になるという明確な基準はありませんが,常識的に考えて不当だと思われる額であれば,無効になる可能性が高いといえるでしょう。そのため,仮に1億円を支払う旨の合意が成立していたとしても,その合意は無効であると考えられます。

 

4 心理留保により無効になる可能性(民法93条但書)

慰謝料支払いの合意が成立しても,相手が「本当は支払うつもりがない」という場合も考えられます。相手が真意に反する合意を成立させていたとしても,あなたはそれを知り得ませんから,合意は有効に成立します。

ただし,あなたが,相手の真意を知っていた(又は知り得た)場合,つまり,相手が本当は支払うつもりがないことを知っていた場合は,民法93条但書によって,合意が無効になる可能性があるのです。

 

(1)民法93条

意思表示は,表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても,そのためにその効力を妨げられない。ただし,相手方が表意者の真意を知り,又は知ることができたときは,その意思表示は、無効とする。

 

裁判例でも,以下のように,1000万円の合意について,心理留保により無効だと判断したものがあります。

 

(2)東京地裁平成20年6月17日

「一般に,不貞行為者は,事故の不貞の交際相手の配偶者との直接の面談には心理的に多大な躊躇を覚えるものであり,一刻も早くそれを終わらせたいと考えることが自然であると認められるから,慰謝料を請求されてもその支払に抵抗せず,また,高額な慰謝料額を提示されたとしても,減額を求めたり,その支払可能性等について十分に考慮することなく,相手方の言うがままに条件を承諾し,とにかく面会を切り上げようとする傾向が顕著であると考えられる。」
また,合意した1000万円という額が極めて高額であることも考えると,被告は,合意時に「1000万円の慰謝料を支払うつもりはなかったと認めることが相当である。」
原告も,被告の真意について知り,又は知りうべきであった。

 

仮に,何の問題もなく100億円支払いの合意が成立したとしても,これほどの高額であれば,相手は真意から支払うつもりではないと思われます。そして,あなたもそのことに気付くべきであると考えられますから,合意は無効とされる可能性が高くなります。

 

5 違約金条項にも注意

違約金条項にも注意

慰謝料額だけでなく,違約金条項にも注意が必要です。

例えば,「1度LINEを送るたびに違約金100万円」という条項を加えたとします。常識に照らし,LINE1回で100万円は高額に過ぎるといえるでしょう。そのため,公序良俗に反して無効と判断されるかもしれません。

無効かどうかを最終的に判断するのは裁判官ですが,後々争いになりそうな条項は避けるべきです。

 

6 おわりに

慰謝料や違約金は,高い方が相手へのプレッシャーになりますから,再度の不貞を防ぎやすいと思われるかもしれません。しかし,これまでお話ししてきたように,常識はずれの合意は無効とされるリスクがあるのです。

後々争いになれば,せっかく成立させた合意が無意味になりますし,負担にもなります。適切な内容で合意を成立させ,一度で不貞問題を解決させるためにも,慰謝料請求を考えておられる場合は,弁護士にご相談されることをお勧めします。

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このコラムの監修者

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