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不倫した側の「ビジネスホテルやラブホテルには行ったが何もしていない」の主張は通用するか

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【かんたん45秒解説!】


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配偶者に不倫された場合、不倫された側の被害者は損害賠償として慰謝料を請求できます。
しかし、離婚の申し出や慰謝料請求、会社や周囲からの評価など社会的なペナルティを恐れ、「ホテル行ったが何もしていない」などと言い逃れの主張をする人も多くいます。

今回は、「ホ テルに行ったが何もしていない」という不倫している側の主張は通用するのか、また不倫を認めない相手に慰謝料を支払わせるための対処法などをご紹介します。
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1 なぜ「ホテルに行ったが何もしていない」と主張するのか?

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相手とホテルに行く約束の連絡を確認したり、ホテルに入っていく場面を見たりして配偶者の不倫を確信するケースは多いです。
しかし、実際に不倫を問い詰める際にホテルの利用を指摘すると、「ホテルには入っただけで何もしていない」と言い訳をする人もかなりの割合でいるのが事実です。
なぜそのような主張をするのか、またよくある言い訳をご紹介します。

 

(1)浮気や不倫によるペナルティが怖いから

「ホテルに入っただけで何もしていない」などと主張する人は、自分でも不倫がバレていることは十中八九自覚しています。
ではなぜ、このような白々しい言い訳をするのでしょうか?
それは、不倫をしている本人は、不倫が社会的にバレることで受けなければならないリスクやペナルティを恐れているからです。
結婚前の浮気とは違い、結婚後の不倫は夫婦同士の貞操義務を破る違法行為になります。
本人も不倫の発覚によって慰謝料請求や離婚を言い渡される可能性を危惧しているため、自白できない状況に陥っているのです。

 

(2)よくある言い訳

ホテルに関する言い訳には非常に様々なものがあります。
最もよくある言い訳は、「人に聞かれたくない相談を聞いていた」といったものです。
一般的に考えてみると、配偶者以外の相談に乗る時にホテルにわざわざお金を払って入る人はいないでしょう。
しかし、本人はそれなりに説得力がある言い訳と思っている場合も多いです。
聞き苦しいものとしては、「休んでいただけで実際の行為はしていない」や「仕事の打ち合わせをしていた」などもあります。
これらの言い訳は、本人も自分でバレていると自覚していながら絶対に認めたくないという気持ちに囚われている場合が多いでしょう。
また、不倫したのが夫側(男性)の場合、開き直っている例として「風俗嬢だから浮気ではない」などと主張するケースもあります。
割り切った行為であれば浮気とは言えないという主張内容です。
しかし、配偶者以外の相手との関係は基本的に法律違反に該当するため、この言い訳は結婚しているのであれば不倫の自白同然と捉えられるでしょう。

 

2 「ホテルに行ったが何もしていない」は基本的には通用しない

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「ホテルに入っただけで体の関係を持ったわけではない」と主張する人はよくいますが、この主張は基本的には通用しないと考えて良いでしょう。
その理由を挙げていきます。

 

(1)社会常識として認められない場合が多い

一般常識として、男女が二人きりでホテルに入るのは非常に親密な関係性と見られます。
ほとんどの人がホテルに二人で入っていく男女を見た時、無意識にカップルか夫婦と考えるでしょう。
そのような共通認識から客観的に考えても、「ホテルに入っただけで何もしていない」というのは不倫を自白したくないが故の苦しい言い訳でしかありません。

 

(2)ホテルに男女で入るのは配偶者の信用を著しく損なう行為

そもそも、法的には「配偶者以外の異性と不貞行為を行った場合」が不倫になりますが、ホテルという密室空間に男女で入ること自体が、配偶者や社会的な信用を損なう軽率な行為と言えます。
「体の関係がないから不倫ではない」というのは不倫をしている側の理論でしかありません。
ホテルに配偶者以外の異性と二人きりで入るのがアウトなのは、体の関係を持つ前提で利用する場であるだけでなく、社会通念的にも倫理観に乏しいと判断されるからです。

 

3 ホテルに男女が入る写真は証拠としての効力が高い

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それでは実際に、ホテルに男女が入った写真は浮気や不倫の証拠になるのでしょうか?
証拠になり得るかどうかはホテルの種類や様々な要素によって判断されるので、解説していきます。

 

(1)ラブホテルの場合は有力な証拠になる

配偶者以外の異性とホテルに入っていく写真は、不倫の証拠として裁判などでもよく使われます。
入っていくホテルがラブホテルの場合、これは不倫の有力な証拠です。
不倫の証拠で重視される要素は、「不貞行為をしたと推測できるかどうか」です。
一般的にラブホテルとは不貞行為をするために利用する場所と認識されるため、裁判の証拠でも効力を発揮するケースが多いです。
ただし、例えばラブホテルであっても滞在時間が非常に短い場合は、不貞行為をしたと推測できなくなるため証拠としての効力が発揮できないケースも稀にあります。
具体的には、入室から退室までの時間が40分以内の場合は、「ホテルには行ったが何もしていない」という主張も通る可能性が高くなります。

 

(2)ビジネスホテル等の場合は頻度が滞在時などを総合して判断される

ビジネスホテルなどラブホテル以外のホテルの場合は、不貞行為が可能な場所ではありますが一般的に行為をするために入る場所ではないため、証拠として弱くなります。
不倫している側が「出張に行っていた」などとよく言い訳するパターンです。
ただし、ビジネスホテルであっても何度も繰り返し訪れていて、滞在時間が長い場合は不貞行為をしていたと推測するヒントになります。

関連記事:【完全版】旦那の浮気の証拠がつかめない?不倫の証拠14選を紹介

 

4 相手が浮気・不倫を認めない場合の対処法

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基本的に「ホテルに入っただけで何もしていない」と主張する相手は、意地でも自分からは不倫を認めないという考えになっている場合も多いです。
そのような場合は、どのような対処をするのが適切なのでしょうか?

 

(1)問い詰めるだけでは解決しない場合が多い

本人が不倫を認めないと決意している場合、そのまま情に訴えて問い詰めて自白はほとんど期待できません。
さらに頑なになってしまうケースもあるので、問い詰めるのは諦めて相手を肯定し、一度信じた素振りをするのも一つの手でしょう。
その場合は相手を安心させてあえて泳がせておき、不倫の決定的な証拠を集め始めるのが認めさせるまでの近道になります。

 

(2)浮気調査などで徹底して証拠を集める

自白が期待できない場合は、明らかに不倫が疑われるという証拠を用意する必要があります。
浮気調査などを依頼し、確実な証拠を集めるのが最も効果的で、裁判においても有利になります。

 

関連記事:証拠取得のために探偵を雇います。どのような証拠をとればいいでしょうか?

具体的には、不倫相手とホテルに何度も訪れているとわかる写真や動画があると証拠になりやすくなります。
また、ホテルに関しては滞在時間も争点となるため滞在時間も明確に調べると良いでしょう。
また、写真や動画以外にも毎日の配偶者の行動パターンを記録し、特に疑わしい行動はメモしておくと調査しやすくなります。
相手のスマートフォンを確認できる場合は、不貞行為が推測できる内容やラブホテルの領収書なども有利な証拠となる場合が多いです。

配偶者以外の異性と二人きりでホテルに入るのは社会的に信用を失いかねない行為です。
ホテルに行ったことは認めるのに「不貞行為はしていない」と主張する相手の場合、意固地に不倫を認めない心情になっていると考えられます。
そのため、相手に認めさせるには、明確な証拠を集めるのが効果的です。

関連記事:探偵に浮気調査依頼する場合の注意点

 

離婚手続きや慰謝料請求を行う場合も、不倫が推測できる証拠は裁判で有利に働きます。
証拠を集めたら離婚や別居をする・しないに関わらず、慰謝料を請求することをおすすめします。

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