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不倫慰謝料請求の内容証明や通知書の中身が脅迫(脅し)だ。弁護士に相談すべきか?

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ポイント説明

1 はじめに

今回の記事の流れ
 慰謝料を請求する場合,まずは交渉を行うのが一般的であり,その交渉のための書面として内容証明を送る場合があります。内容証明には,事実関係,請求する慰謝料の金額や期日,請求に応じない場合に法的措置をとるといった内容が書かれています。

もっとも,内容証明の内容によっては脅迫的な内容を含むものも中にはありえます。そこで,以下では,慰謝料請求をする側として注意する点と脅迫的な内容の内容証明を送られた側の対応について解説していきます。

 

2 慰謝料請求をする側として注意すべき点

慰謝料請求をする側として注意すべき点 脅迫的な中身の内容証明

(1)脅迫的な中身の内容証明

 内容証明を送る側としては,中身が脅しなどの脅迫的な内容となってはいけません。

刑法222条は脅迫罪について次の通り規定しています。

第1項「生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は,二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。」
第2項「親族の生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も,前項と同様とする。」

 

刑法222条にいう害を加える旨の告知とは,客観的に人の意思決定の自由を奪うことをいいます。

そして,次のような内容証明を送った場合には脅迫罪が成立する可能性があります。

 

①生命・身体への害悪の告知

生命・身体への害悪の告知
「慰謝料を支払わないと殺す」といった内容や,「慰謝料を支払わないと家族に危害を加える」といった内容の場合,人の生命や身体に危害を加える内容なので,脅迫罪が成立する可能性があります。

 

②自由への害悪の告知

「不倫を辞めないと子どもをさらう」といった内容や,「慰謝料を支払わない限り家に帰れないと思え」といった内容の場合,人の自由を奪う内容なので,脅迫罪が成立する可能性があります。

 

③名誉を害する告知

「裁判をしてさらし者にしてやる」といった内容の通知は,人の名誉を害する内容なので,脅迫罪が成立する可能性があります。

 

④財産への害悪の告知

「慰謝料を支払わなければ家を燃やしてやる」,「不倫をやめないと金銭的に追い詰める」といった内容の通知は,財産への害悪の告知として,脅迫罪が成立する可能性があります。

 

⑤親族への慰謝料請求

親族への慰謝料請求
不倫慰謝料は,不倫をした配偶者と不倫相手に対し請求することができ,それ以外の人に対しては請求することはできません。にもかかわらず,不倫相手に対し「慰謝料を支払わなければ,両親に取り立てる」といった内容の通知を行うと,脅迫にあたる可能性があります。

 

(2)脅迫(脅し)にあたらないように慰謝料請求をする方法

慰謝料請求をする側として注意すべき点 脅迫(脅し)にあたらないように慰謝料請求をする方法
脅迫にあたらないように慰謝料を請求する方法として次のようなものがあります。

①脅迫的な中身の内容証明を書かない

上で述べたような内容証明は脅迫にあたり得るので書いてはいけません。内容証明自体は自分で作成して相手方に送ることはできますが,本人が書くと感情的になり中身も脅迫的なものになるおそれがあります。そこで,弁護士に慰謝料請求を依頼することをお勧めします。

関連記事: 「職場に知らせる」と脅されての慰謝料請求は有効?

 

②弁護士に慰謝料請求を依頼する

上で述べた通り,本人が内容証明を送ると内容が脅迫的なものになるおそれがあります。そこで,弁護士に慰謝料請求についてすべて依頼することが考えられます。弁護士に依頼した場合には,弁護士が,本人に代わって適切な内容証明を送って交渉をしてくれますし,本人が直接相手方と交渉する手間を省くことができます。さらに,弁護士に依頼した方が,話し合いがまとまりやすいというメリットもあります。

関連記事:弁護士が内容証明を送るメリット

 

3 脅迫的な内容の内容証明を送られた側の対応

脅迫的な内容の内容証明を送られた側の対応
 脅迫的な内容の内容証明を送られた場合にとるべき対応として,まず,弁護士に相談することが考えられます。弁護士に相談することによってこのような中身の内容証明が送られた場合の法的なアドバイスを受けることができます。

また,弁護士に依頼することによって,弁護士が内容証明を送った側に対し受任通知を送り,本人ではなく弁護士が窓口となってくれるので,本人への直接の連絡がなくなる可能性があります。そして,弁護士が本人の代理人として相手方と交渉をしてくれるので,本人が直接行う場合よりも,うまく交渉がまとまる可能性があります。

もっとも,相手方が受任通知を意に介さずに本人に対し連絡を続けてきた場合には,警察や検察に告訴したり,脅迫を理由に逆に慰謝料を請求したりするといった方法が考えられます。

関連記事:弁護士から不倫慰謝料請求された書面(内容証明・通知書)を無視したらどうなりますか?裁判になる?

 

4 おわりに

 不倫慰謝料を相手方に請求する場合,まずは交渉によることになりますが内容証明を送る場合には,脅迫的な中身のものを送ってはいけません。自分の作成した内容証明が脅迫的なものにならないように,弁護士に依頼することをお勧めします。

一方,脅迫的な中身の内容証明を送られた側についても,弁護士に依頼することをお勧めします。弁護士に依頼しても,連絡が止まらない場合には告訴をしたり,逆に慰謝料請求をすることにより自分の身を守る方法があります。

法律事務所ロイヤーズ・ハイでは不倫慰謝料について経験豊富な弁護士が在籍しています。不倫慰謝料を請求したい,または,請求された方は当事務所の弁護士に相談することをお勧めします。

 

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