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慰謝料の分割払いのメリットとデメリット

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ポイント説明
何らかの理由で夫婦関係にピリオドが打たれた場合、その離婚理由によっては慰謝料を請求することができます。

不倫やDV、借金など、様々な理由がありますが、慰謝料を払ってもらう場合には通常一括での支払いとなります。

しかし、相手の資金や経済状況によっては一括払いができないケースもあるのです。
その場合、分割払いとなる可能性がありますが、分割払いにはどんなメリットがあるのでしょうか?

慰謝料の分割払いのメリット・デメリットをご紹介し、一括払いにするためのポイントや分割払いでの注意点も解説していきましょう。

慰謝料が分割での支払いになり悩んでいる人がいれば参考にしてください。

関連記事:不倫の慰謝料は分割できるのか?支払う側と支払われる方側のポイント

今回の記事の流れ

1 不倫慰謝料の分割払い…メリットはある?

不倫慰謝料の分割払い…メリットはある?
不倫をした側にとっては、慰謝料の支払いが分割になることで大きなメリットがあるでしょうが、慰謝料をもらう側にはどんなメリットがあるのでしょう。
メリットとしては、慰謝料の減額を避けられる点です。

慰謝料の額によって請求した相手は「支払えない」と感じ、どうにか減額にならないかと模索するはずです。

しかし、分割を申し出てきた際には減額をせずに請求した金額が全て受け取れるので希望通りの慰謝料をもらうことができます。

不安はあるでしょうが、反省している場合や安定した職業に就いているのなら、分割払いに応じてもいいでしょう。

 

2 分割払いにはデメリットがたくさん

分割払いにはデメリットがたくさん
分割払いには減額がないメリットがありますが、実はデメリットの方が多いのです。
どんなデメリットがあるのか見ていきましょう。

(1)収入状況が変わる

分割払いを決めた際には、収入が安定していても何らかの理由によって相手の収入が探す可能性はゼロではありません。

場合によっては転職で収入が下がる、無職になる可能性もあるでしょう。
そうした場合、慰謝料の支払いが滞ることも考えられます。
減額を要求してくることもあり、不満を感じてしまうでしょう。

(2)ケガや病気になる可能性も

相手がケガをしてしまう他、病気になれば仕事に行くこともできないため、慰謝料の支払いもできなくなってしまいます。

自分の意思で転職などをして収入が減るのとは違い、病気やケガは突然起こるので、相手も予測はできないでしょう。

無理にお金を支払わせることもできずに、慰謝料をもらえない月も出てくることが考えられます。治癒した際に再度慰謝料を支払うよう、話し合いの場を設ける必要があるでしょう。

(3)途中で逃げられる可能性も

分割払いにしても毎月の額が大きいと支払うことが困難となり、途中で慰謝料を払わなくなる人もいるようです。

毎月支払うことを念書に書かせた場合でも、支払うことをやめて連絡を絶ち、引越しをする人も中にはいます。

新しい住所や新しい勤務先も分からなければ連絡をとることもできないため、なすすべが無いとも言えます。

こうしたトラブルに発展しないためにも一括での支払いにした方が安心できるのです。

(4)離婚問題が終わらない

不倫やDVなど、様々な理由で離婚することになりますが、慰謝料を貰う場合に分割払いにすると、上記のような理由で支払いが滞ることもあり、離婚後も苦しめられることにつながります。

嫌なことを早く忘れたいと思っていても、慰謝料の問題が片付かないことで生活に支障が出ることも考えられるでしょう。

連絡をした際にはお互いに感情的になり口論やトラブルに発展する可能性もあります。
離婚後も嫌な思いをしないためにも、分割払いは避けた方が良いのです。

 

3 一括払いにしてもらうためのポイント

一括払いにしてもらうためのポイント
分割払いには多くのデメリットがありますが、一括払いにしてもらうためのポイントはあるのでしょうか?

(1)連帯保証人をつけるように伝える

分割払いにできるよう依頼された場合には、「連帯保証人をつける」と相手に伝えてみましょう。不倫やDVが原因の場合、その事実を他人に知られたくないと思う人は多いです。

そのため、人に知られることを嫌がり連帯保証人を見つけられないケースがあります。
そうした場合には、連帯保証人が見つけられなければ一括払いに同意することを条件にすると良いでしょう。

(2)財産調査を依頼する

自分には財産がないからと慰謝料の分割を申し出てくる人は多いでしょうが、その言葉が本当であるのかは調べることは難しいでしょう。

そんな時には、弁護士に相談をして財産調査をしてもらうよう依頼してください。
弁護士であれば、弁護士会照会を活用して相手の預貯金などを調べることができます。

本当にないのかを確認してもらい、万が一財産があった場合にはその証拠を提示して一括での支払いを相手に請求できます。

(3)慰謝料額を変える

分割払いにメリットを感じている相手であれば、一括支払いの金額を変更してみましょう。
例えば、「一括で支払う場合には慰謝料を減額する」と伝えるだけでも効果的です。
また、分割払いの慰謝料を増額することも可能です。

一括での支払いなら200万円、分割なら230万円と金額を高くすることで一括にメリットを与えることができます。

相手側は分割払いの金額アップに納得できないと考えるでしょうが、支払いが滞るリスクがあるので高くなっても当然と言えるでしょう。

(4)相手の親に立て替えてもらう

相手が分割でしか支払いたくない、資金がない、などと言って支払いを拒む場合には、相手の親に一時的に立て替えてもらうことも提案してみましょう。

夫婦の問題となるので親が立て替える義務はありませんが、親が了承している場合には慰謝料を支払ってもらうことができます。

ただし、拒否しているにも関わらず何度も相手の親に請求する行為は犯罪にあたる危険があるので注意してください。

 

4 分割払いになった時の対策

上記のように一括支払いになるように行動をとっても相手が分割払いを譲らなければ、分割払いのリスクを軽減するための対策をとらなければいけません。
どんな方法があるのかご紹介していきましょう。

(1)公正証書の作成

公正証書の作成
分割払いでもしっかりと全額慰謝料を払ってもらいたいなら、公正証書に残しておく必要があります。

公正証書は高い証明力があり、支払いを怠った場合に強制執行手続きにすぐに移ることができます。支払いを拒否する可能性もある相手には効果的でしょう。

公正証書には、慰謝料の総額や毎月の支払い額、返済回数や返済期限の他に、支払いを怠った時の対処法などを記します。

内容が曖昧であると裁判所が決定を出さない場合もあるので、詳しく記すようにしましょう。

(2)財産分与で多くもらう

財産分与で多くもらう
慰謝料が分割になった場合、財産分与で調整することも可能です。
通常であれば、1/2で設定されますがその割合を2/3などと多く設定することは可能です。

(3)初回支払いを大きくする

初回支払いを大きくする
1番最初に支払う慰謝料の額を大きくすると、支払い回数が必然的に少なくなり短気支払いが可能となります。不払いがあったとしても、最初に多く受け取っているため心にも余裕ができるでしょう。

5 まとめ

慰謝料の分割にはデメリットが多いです。そのため、一括払いで受け取ることが得策と言えますが、経済状況や財産の有無によっては分割払いになってしまう可能性もあります。

その際には、上記の対策を参考にリスクを避けた分割払いを検討してみましょう。
しかし、慰謝料となると不明な点も多く自分一人では決めることができないケースはたくさんあります。

納得した金額を受け取るためにも、専門家である弁護士に相談して的確なアドバイスをもらいましょう。分割支払いを避けた慰謝料請求の方法も一緒に模索してくれるので安心です。

このコラムの監修者

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