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婚約破棄で慰謝料は請求できる!判例・相場・手続きを解説

目次

1.はじめに

 結婚前に婚約を破棄された場合,婚約破棄をした相手に対し何も責任を問うことはできないのでしょうか?

相手方から一方的に婚約破棄をされた場合,慰謝料請求をする方法があります。

以下では,どのような場合に婚約破棄を理由として慰謝料請求ができるか,婚約破棄を理由とする慰謝料の相場,婚約破棄を理由とする慰謝料請求の手続きについて解説します。

2.婚約破棄を理由とする慰謝料請求の判例・相場・手続き

 婚約破棄は常に慰謝料請求の対象となるのではなく,次の場合に慰謝料請求が認められることになります。

・婚約関係にある相手方から一方的に破棄された場合

これは,前提として婚約関係が要求されます。

単にお互い口頭で結婚することを約束していたとしても婚約関係が認められるとはいえず,婚約関係があるといえる場合には様々な事情を総合考慮して判断されることになります。例えば,以下のような場合に婚約関係があるといえます。

 ○婚約指輪のやり取りをしている場合

 ○結納の儀式をしている場合

 ○結納期の授受をしている場合

 ○それぞれの両親や友人に結婚相手として紹介している場合

 ○結婚式場の予約をしたり,親族や友人に対し結婚式の招待状を送っている場合

そして,婚約関係が成立していることを証拠により証明しなければならず,以下の物が婚約の証拠となります。

 ○婚約指輪の現物,婚約指輪を購入した場合の領収書,婚約指輪のカード支払明細書

 ○親族や友人による陳述書

 ○結婚式の予約票,結婚式の代金支払明細書

 ○結婚式の招待状

・婚約者が不貞行為を行った場合

婚約関係にある相手が他の人と肉体関係を持ったことにより婚約が破談となった場合にも,慰謝料請求ができる可能性があります。この場合,慰謝料を請求する側が,婚約関係にある事実と不貞行為を行った事実を証明する必要があります。不貞行為の証明に役立つ証拠としては,以下の物が考えられます。

 〇2人がホテルに出入りする写真や動画,ホテルの部屋で撮影した写真や動画

 〇肉体関係をしたことがわかるメールやSNS

 〇肉体関係を認める発言の録音や書面

 〇ラブホテルの領収書

・相手からDVやモラハラを受けていた場合

これは,婚約関係を前提としていませんが,DVやモラハラにより慰謝料請求が認められる場合があります。そしてDVやモラハラを受けたことを証拠により証明しなければならず,以下の物がDVやモラハラの証拠になります。

 ○身体的暴力に関する医師の診断書

 ○通院をしていた場合の領収書

 ○DV相談所などの機関に相談した際の診断書や記録

 ○傷を撮影した写真

 ○暴力を受けたり,暴言を言われたりした日時のメモや録音

婚約破棄を理由とする慰謝料の相場

 一般に,婚約破棄を理由とする慰謝料の相場は数十万円から200万円とされていますが,以下の状況により慰謝料の額が変動する場合があります。

・交際期間の長さ

婚約期間を含めた交際期間が長い場合,婚約破棄を理由とする精神的苦痛が大きく,慰謝料の額が高額になる傾向にあります。

・結婚の準備をしていたか

婚約関係の条件とも重なりますが,結納を行っていたり結婚式場の予約をしており,婚姻の成立の可能性が高い場合,婚約破棄による精神的苦痛が大きく,慰謝料の額が高額になる傾向にあります。

・婚約を機に退職をしたか

婚姻後の生活を考えて,婚約を機に退職をした場合,婚姻成立への期待が大きいにもかかわらず,婚約破棄をすることは期待を裏切るものであり,精神的苦痛が大きく,慰謝料の額が高額になる傾向にあります。

・中絶をした

婚約中に妊娠し,婚約破棄により中絶することになった場合には,婚約破棄による損害が大きく慰謝料の額が高額になる傾向にあります。

・婚約破棄により健康状態が変化した

婚約破棄により,心身の健康状態が大きく悪化した場合には,慰謝料が高額になる傾向にあります。

・相手の年収の高さ

婚約破棄をした相手方の年収が多い場合,慰謝料の額が高額になる傾向にあります。

婚約破棄を理由とする慰謝料請求の手続き

婚約破棄を理由とする慰謝料請求をする方法としては次の方法があります。

・相手と交渉する

相手方に対し,慰謝料を請求する旨と金額を伝え交渉することになります。交渉の方法としては,直接会って行う場合や電話・メール,内容証明など自由です。

ここで交渉がうまくいけば,示談が成立したとして相手方から一定額の支払いを受けることができます。

・慰謝料請求調停を申し立てる

交渉がうまくいかない場合,慰謝料請求調停を申し立てる方法があります。

調停は,調停委員が当事者の話を聞いて解決案の提示や助言を行う手続きです。調停は,当事者双方が合意すれば成立し,合意が成立しない可能性もあります。

・訴訟を提起する

交渉がうまくいかず,調停でも話がまとまらない場合には,訴訟により慰謝料を請求する方法があります。その場合,両当事者が主張書面を交わしたり,証拠を提出することで手続きが進行していきます。場合によれば,尋問により裁判所や相手方から質問をされることになります。

もっとも,訴訟手続中に和解が成立する場合があり,和解が成立すれば訴訟は終了します。和解が成立しない場合,最終的に裁判所が判決により判断を行うことになります。

慰謝料請求をする場合,本人が自力で証拠を集めて相手方に対し請求することは可能ですが,証拠の集め方がわからなかったり,交渉がうまくいかないというリスクもあります。もっとも,弁護士に依頼すれば,弁護士から証拠収集のアドバイスを受けることができますし,代理人として,交渉や訴訟により慰謝料を請求することができます。ですので,慰謝料請求をする場合には,弁護士に相談することをお勧めします。

3.おわりに

 婚約破棄を理由とする慰謝料請求は一定の場合に認められます。慰謝料の相場は数十万円から200万円ですが,個別的な事情により慰謝料の額が変動します。

慰謝料を請求する方法として,相手と交渉する,慰謝料請求調停を申し立てる,訴訟を提起するなどの方法があります。

法律事務所ロイヤーズ・ハイでは,慰謝料請求に関し経験豊富な弁護士が在籍しております。慰謝料請求についてお悩みのある方は,当事務所の弁護士にご相談いただくことをお勧めします。

 

このコラムの監修者

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