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旦那のスマホゲームのしすぎで離婚・慰謝料請求できますか?

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ポイント説明

当事者同士が離婚をする意思を有しているとき、夫婦は協議と離婚届の届出(民法764条、765条1項参照)によって離婚をすることができます(民法763条)。
ただ、両当事者がどちらも離婚において積極的であるとは断言できません。中には頑に離婚をすることを拒否する方もいるかと思います。
そのような時には、裁判を提起することによって離婚を成立させるといった手段も考えられます(同法770条1項)。
では、旦那がスマホゲームをしすぎていたような場合において、配偶者の方は離婚請求及び慰謝料請求をすることはできるのでしょうか。
以下解説します。

今回の記事の流れ

1 裁判で離婚が認められる5つの理由

(1)不貞行為があったとき(770条1項1号)

不貞行為があったとき

配偶者以外の異性と肉体関係を結んだ場合においては、不貞行為と認められます。
不貞行為があった時には、元々の平穏な婚姻関係が破綻したと言えるので、裁判上の離婚が認められることが多いです。

(2)悪意で遺棄されたとき(同条2号)

悪意で遺棄されたとき

悪意で遺棄された時には、「同居し、互いに協力し扶助」(同法752条)する義務を遂行したとは言えないため、離婚原因にあたります。
なお、ここでいう「悪意」とは「その事実を知っていたとき」という意味です。
例えば、妻が半身不随であるにも関わらず、夫が長期間家に帰らなかった場合や、生活資金を振り込まなかった場合には、悪意で遺棄されたときにあたります。

(3)生死が3年以上明らかでないとき(同条3号)

生死が3年以上明らかでないとき

生死が3年以上明らかでないときには、残された当事者は同居義務や婚姻生活を維持することを遂行することがもはやできなくなることは明白なため、離婚原因にあたるとされています。

(4)配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき(同条4号)

配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき

配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないときは、もう一方の配偶者に同居義務や相互扶助義務を負わせることはあまりにも酷であることから、離婚原因にあたります。

(5)婚姻を継続し難い重大な事由(同条5号)

婚姻を継続しがたい重大な事由

1号から4号までの離婚原因のほかに、婚姻を継続するのが困難な事由が存在した場合には、離婚請求をすることができます。
以下、「重大な事由」の具体例についていくつか挙げます。

・暴力行為が行われていた場合や、勤労の意欲がない場合
このとき、相互扶助義務が遂行できないことから、認められます。

 

・性格の不一致
性格の不一致によって長期間別居していた場合には、認められることが多いです。
ただ、性格の不一致のみによっては離婚原因とされることは難しく、ほかにも長期間別居していた場合等の婚姻関係が破綻していると認められる事由が必要となります。

 

・性交不能や性的異常
夫がポルノ雑誌等を見て性的興味を示し、妻の性交渉を拒否した場合には、離婚が認められる場合もあります。

最後に、自ら婚姻の破綻原因を作った有責配偶者がその原因により離婚請求をした場合に
ついて説明します。
この場合も、夫婦の別居が相当期間に及び、未成熟子がない場合には、特段の事情のない限り、離婚の請求はできるとされています。
前までの民法では、遺棄や虐待等の有責な行為をした人に対して、配偶者が離婚の請求をすることができるという有責主義という名のもとで裁判上の離婚が語られていました。
しかし、新法での4号の精神病の規定や、5号の重大な事由があるときといった規定によって、離婚原因は有責主義から婚姻生活が破綻していることを原因とする破綻主義に取って代わったとされています。
以上より、例え有責配偶者が裁判を起こしても、請求自体は可能ということには注意が必要です。

2 不倫慰謝料が請求できる場合

では、不倫慰謝料はどのような場合に請求できるのでしょうか。
先程上述したように、裁判上の離婚原因に、「配偶者に不貞な行為があったとき」(同法770条1項1号)に被害者は離婚請求を提起することができます。
このことから、夫婦には、配偶者以外の異性と肉体関係を結ばないという「貞操義務」を負っていると観念できます。
それにも関わらず、夫(妻)が不倫相手と不貞行為をした場合には、妻(夫)は精神的苦痛を被ったとして不法行為に基づく損害賠償請求(同法709条)をすることができます。

3 不倫慰謝料が請求できない場合

不倫慰謝料が請求できない場合は、大きく分けて3つあります。

まず貞操義務に反して不貞行為をした場合には、被害者は不法行為に基づく損害賠償請求をすることができますが、この場合の不貞行為とは、「配偶者以外の者と自由意思に基づいて肉体関係を結んだこと」を指します。
よって、例えば配偶者が泥酔したとき等に、配偶者以外の者と性行為をした場合には、被害者は不倫慰謝料は請求することができません。

また、不貞行為があった時、長期間別居しているといった婚姻関係が破綻している状況がある場合には、被害者は「法律上保護された利益」がもはやないとして慰謝料が請求できない場合があります。

最後に、時効が成立している場合です。
不法行為に基づく請求は、

  • 被害者が損害及び加害者を知った時から3年間行使しない時(同法724条1号)
  • 不法行為時から20年行使しない時(同法同条2号)

によって消滅するため、期間経過後は、もはや不倫慰謝料は請求することができません。

4 協議離婚であれば離婚は可能だが慰謝料の請求は難しい

協議離婚であれば離婚は可能だが、慰謝料の請求は難しい

協議離婚は、当事者の離婚意思が合致したときに成立します。
なので、たとえ旦那のスマホゲームのしすぎで夫婦関係に亀裂があったとしても、当事者双方が離婚をする意思を備えていた場合には、離婚をすることはできます。
ただ、離婚に伴う慰謝料請求には、「権利」または「法律上保護される利益」を侵害されたときに限り請求することができます。
もし、旦那のスマホゲームが、婚姻関係を破綻させるほどのめり込み、生活費に手を出していたような場合には、妻は扶助又は補助される利益を侵害されたとして、慰謝料の請求をすることはできます。
ただ、上記の通り婚姻関係を破綻させたと評価されなければならないため、旦那の課金額が一般人がする課金額と比較して大きく上回っている必要があるでしょう。

(1)請求し同意すれば支払いを受けることはできる

もっとも、妻が慰謝料を請求した際に、旦那が支払うことを同意した際には支払いを受けることができます。
その際、妻と夫で合意した内容を公正証書にすることによって、支払いをより確実な者とすることができます。

5 まとめ

以上のように、旦那のスマホゲームを原因とする場合には、協議離婚をすることはできますが、裁判上の離婚は、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるか否かによって結論が分かれてきます。
このような特殊な例は法律上の条文のみでは解決できない面もあるため、離婚原因やそのた慰謝料に関してお困りの方は、法律のエキスパートである弁護士に相談されることをお勧めします。

このコラムの監修者

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