結婚前の不倫で慰謝料は請求できる? - 不倫の慰謝料に強い大阪(なんば・梅田)の弁護士法人 ロイヤーズ・ハイ

弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイ
大阪(なんば・梅田)・堺・岸和田・神戸の慰謝料請求特化サイト

結婚前の不倫で慰謝料は請求できる?

facebook Twitter line pocket はてなブックマーク

ポイント説明 今回の記事の流れ

 

1 はじめに

 一般的に不倫慰謝料請求とは,婚姻中の配偶者の一方が不貞行為を行った場合に不倫相手又は配偶者に対し慰謝料を請求することをいいます。そのため,不倫慰謝料は前提として夫婦であることを要求されます。

では,結婚前の夫婦でない状態での不倫により慰謝料を請求することができるのでしょうか?

以下では,結婚前の不倫で慰謝料請求できる場合,結婚前の不倫を理由とする慰謝料請求の流れについて解説します。

 

2 結婚前の不倫で慰謝料請求できる場合

結婚前の不倫で慰謝料請求できる場合

 結婚前は夫婦ではないので両者は貞操義務を負わず,自由に恋愛することができるので,原則として不倫により慰謝料請求を請求することはできません。

もっとも,以下の場合に慰謝料請求が認められる可能性があります。

 

(1)婚約関係がある場合

婚約している相手方が他の人と男女関係になり婚約破棄の状態となった場合,不当な婚約破棄として慰謝料を請求できる可能性があります。

もっとも,単にお互い口頭で結婚することを約束していたとしても婚約関係が認められるとはいえず,婚約関係があるといえる場合には様々な事情を総合考慮して判断されることになります。例えば,以下のような場合に婚約関係があるといえます。

○婚約指輪のやり取りをしている場合

○結納の儀式をしている場合

○結納期の授受をしている場合

○それぞれの両親や友人に結婚相手として紹介している場合

○結婚式場の予約をしたり,親族や友人に対し結婚式の招待状を送っている場合

 

そして,婚約関係が成立していることを証拠により証明しなければならず,以下の物が婚約の証拠となります。

○婚約指輪の現物,婚約指輪を購入した場合の領収書,婚約指輪のカード支払明細書

○親族や友人による陳述書

○結婚式の予約票,結婚式の代金支払明細書

○結婚式の招待状

 

関連記事:婚約破棄で慰謝料は請求できる?判例・相場・手続きを解説

 

(2)内縁関係にある場合

内縁関係とは,婚姻届を提出していない事実上の夫婦状態をいいます。内縁関係の場合,法律婚と同様に扱われるので,内縁関係の一方が不倫をした場合慰謝料請求をすることができます。

そして,内縁関係が認められるには以下のような事情が必要となります。

○長年同居し,家計も同一であり,共有財産がある場合

○それぞれの家族や親族から夫婦として扱われている場合

○住民票の続柄に「未届けの妻・夫」と記載されている場合

 

そして,内縁関係にあることを証拠により証明しなければならず,以下の物が証拠となります。

○内縁夫婦のやり取りが記されたメールやメモ

○内縁夫婦の写真

○親族や友人の陳述書

○住民票等

 

関連記事:事実婚(内縁の妻・夫)でも慰謝料請求できる?

 

3 結婚前の不倫を理由とする慰謝料請求の流れ

結婚前の不倫を理由とする慰謝料請求の流れ

一般的に次のような流れにより結婚前の不倫を理由として慰謝料請求を行います。

まず,慰謝料請求をするには,婚約関係があること,または,内縁関係にあることを証拠により証明できなければなりません。この証明ができない場合には,慰謝料請求自体が困難になります。

また,不倫慰謝料請求であるので,不貞行為を証明する必要もあります。不貞行為の証明に役立つ証拠としては,以下の物が考えられます。

〇2人がホテルに出入りする写真や動画,ホテルの部屋で撮影した写真や動画

〇肉体関係をしたことがわかるメールやSNS

〇肉体関係を認める発言の録音や書面

〇ラブホテルの領収書

 

関連記事:【完全版】旦那の浮気の証拠がつかめない?不倫の証拠14選を紹介

 

以上より,婚約関係があることまたは内縁関係にあることと不貞行為の事実を証明できれば,結婚前の不倫を理由とする慰謝料請求をすることができます。

そして次の手順により相手に慰謝料を請求することになります。

 

(1)相手と交渉する

相手方に対し,慰謝料を請求する旨と金額を伝え交渉することになります。交渉の方法としては,直接会って行う場合や電話・メール,内容証明など自由です。

ここで交渉がうまくいけば,示談が成立したとして相手方から一定額の支払いを受けることができます。

関連記事:不倫慰謝料の示談書の書き方と弁護士の役割

 

(2)訴訟を提起する

交渉がうまくいかない場合や示談が成立したが相手方が任意に支払わない場合には,訴訟により慰謝料を請求する方法があります。その場合,両当事者が主張書面を交わしたり,証拠を提出することで手続きが進行していきます。場合によれば,尋問により裁判所や相手方から質問をされることになります。

もっとも,訴訟手続中に和解が成立する場合があり,和解が成立すれば訴訟は終了します。和解が成立しない場合,最終的に裁判所が判決により判断を行うことになります。

 

慰謝料請求をする場合,本人が自力で証拠を集めて相手方に対し請求することは可能ですが,証拠の集め方がわからなかったり,交渉がうまくいかないというリスクもあります。もっとも,弁護士に依頼すれば,弁護士から証拠収集のアドバイスを受けることができますし,代理人として,交渉や訴訟により慰謝料を請求することができます。ですので,慰謝料請求をする場合には,弁護士に相談することをお勧めします。

関連記事:弁護士により慰謝料の額は変わる!?

 

4 おわりに

 結婚前の不倫を理由に慰謝料請求する場合は,婚約関係がある場合と内縁関係にある場合に限られます。慰謝料請求をするには,婚約関係がある場合又は内縁関係にある場合にあたる事実と不貞行為の事実を証明できなければなりません。慰謝料請求の手続きとしては,相手と交渉をする方法と,訴訟を提起する方法があります。

法律事務所ロイヤーズ・ハイでは,慰謝料請求に関し経験豊富な弁護士が在籍しております。慰謝料請求を検討されている方は,当事務所の弁護士にご相談いただくことをお勧めします。

 

このコラムの監修者

facebook Twitter line pocket はてなブックマーク