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性格の不一致で離婚したら慰謝料はもらえる?相場と請求方法

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「結婚してから性格が変わった気がする・・・。」

「一緒に住んでみると思っていた性格と違う・・・。」

性格や価値観が似ているということはあっても、全く同じという人はいないでしょう。

性格や価値観が自分とは違うことを前提に、結婚している方がほとんどだと思います。

しかし、その違いが、あなたにとって耐えられないほどのものであった場合、離婚したいと思うこともあるでしょう。

実際、男女別の離婚したい理由第1位は、男女ともに「性格が合わない」です。

参照:令和2年度 婚姻関係事件数―申立ての動機別申立人別|裁判所

 

本コラムでは、性格の不一致で離婚した場合、慰謝料はもらえるのかについて解説します。

1 性格の不一致で離婚や慰謝料請求できるのか

(1)離婚できる場合がある

結論から言うと、性格の不一致が理由で離婚できる場合があります。

離婚には大きく分けて、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3種類があります。

協議離婚や調停離婚の場合、話し合いで夫婦が合意にいたれば、離婚届けを役所に提出し、離婚することが可能です。

しかし、裁判離婚となると、性格の不一致という理由のみで離婚することは難しいです。

裁判では、以下のような、法律で定められた離婚原因(法定離婚事由)が必要です。

・不貞行為

・悪意の遺棄

・3年以上、生死不明

・強度の精神病にかかり、回復の見込みがない

・その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

 

このうち、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」とは、婚姻関係が破綻しており、回復の見込みがないことをいいます。

お互いに夫婦が婚姻関係の破綻を認めているのであれば、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当し、離婚は認められます。

しかし、性格の不一致を理由とする場合、ただちに婚姻関係が破綻しているとはいえません。

性格の不一致は、婚姻関係が破綻しているか否かの1つの判断要素となりますが、それだけで婚姻関係の破綻は認められず、他の事情とあいまって婚姻関係の破綻が認められるに過ぎません。

たとえば、性格の不一致から長期にわたり別居している場合には、婚姻関係の破綻が認められる場合があります。

関連記事:家庭内別居は何年続くと離婚できる?財産分与はどうなる?

 

(2)慰謝料請求はできない

裁判において、性格の不一致のみを理由として、慰謝料を請求することはできません。

慰謝料とは、不法行為によって受けた精神的苦痛に対して支払われる賠償金のことです。

性格の不一致は、どちらか一方による不法行為とはいえず、慰謝料が発生することはありません。

そもそも、性格や価値観が全く同じという夫婦はいませんし、性格や価値観の違いのみによってどちらが悪いということもいえません。

そのため、性格の不一致だけを理由に、慰謝料を請求することはできないのです。

もっとも、他に事情がある場合には、慰謝料の請求が認められる場合があります。

 

2 性格の不一致で離婚するときに慰謝料をもらえる条件とは?

協議や調停において、夫婦で話し合い、離婚の解決金といった名目で慰謝料を取り決めた場合には、慰謝料を請求できます。

また、裁判であっても、性格の不一致のみならず、不倫やDV、モラハラといった不法行為が認められる場合には、慰謝料請求が認められます。

性格の不一致が原因で、夫あるいは妻による不倫やDV、モラハラが生じる場合もあるでしょう。

そのような場合には、慰謝料を請求することができます。

夫あるいは妻による不倫やDV、モラハラがある場合には、必ず証拠を集めておきましょう。

関連記事:【完全版】旦那の浮気の証拠がつかめない?不倫の証拠14選を紹介

 

3 性格の不一致で離婚するときの慰謝料の相場はどのくらい?

前述した通り、裁判において、性格の不一致のみで慰謝料を請求することは認められません。

しかし、性格の不一致以外に、不倫やDV、モラハラといった不法行為が認められる場合には、慰謝料請求が認められます。

この場合、慰謝料の相場は50万円~300万円となります。

事案によっては、相場より高額になるケースもあります。

たとえば、不倫のケースにおいて、「婚姻期間や不倫期間が長い」、「不倫によって離婚にいたった」、「不倫発覚後も反省せず不倫を続けた」といった場合には慰謝料が300万円以上となる場合もあります。

【東京地判平成29年11月7日判決】

婚姻期間約44年、不貞期間約17年、今後離婚訴訟予定で、妻が夫の不貞相手に対して慰謝料請求した事案です。

この事案では、不貞相手に対して、440万円の支払いが命じられました。

 

関連記事:離婚慰謝料の相場は200万円?不倫・浮気・DVなど離婚の原因別に見る支払い条件と交渉方法

関連記事:不倫の離婚慰謝料の増額と減額~判例ごとの相場も紹介~

 

4 性格の不一致で離婚する場合の慰謝料の請求方法は?

(1)話し合う

協議や調停の場合、性格の不一致のみが理由であっても、夫婦で合意にいたれば離婚することができます。

この場合、性格の不一致によって当然に慰謝料が発生することはありませんが、解決金といった名目で慰謝料を定めることがあります。

このように夫婦の話し合いで取り決めた場合には、慰謝料を支払ってもらうことが可能となります。

協議や調停によって慰謝料を取り決める場合には、必ず「協議書」や「合意書」といった書面を作成するようにしましょう。

仮に支払われなかった場合でも、書面に残しておくことで、相手に対して請求することが可能となります。

 

(2)内容証明郵便を送る

話し合いにより、解決金という名目で慰謝料を取り決めた場合、相手に慰謝料を請求することができます。

取り決めたにもかかわらず、支払われない場合には、内容証明郵便で請求することを検討しましょう。

内容証明郵便とは、書面の内容や発送日、相手が受け取った日付などを郵便局が証明する郵便サービスです。

弁護士が作成した内容証明郵便を送ることによって、相手に心理的なプレッシャーを与えることができ、支払ってもらえる場合があります。

参照:内容証明|郵便局

 

(3)裁判を起こす

話し合ったり、請求したりしたにもかかわらず、取り決めた慰謝料が支払われない場合には、裁判を起こすことになります。

協議や調停によって慰謝料を取り決め、「協議書」や「合意書」といった、取り決めた内容を示す書面がある場合には、裁判によって請求することが可能となるでしょう。

単に、性格の不一致で離婚したという理由のみでは、慰謝料の請求が認められないことに注意してください。

裁判は、ご自身で行うこともできますが、どうしても裁判所や相手方に対する書面の作成、的確な主張、適切な証拠の提出など、専門的な知識を必要とします。

そのため、ご不安な様でしたら、裁判を検討する際に、一度弁護士に相談することをお勧めします。

 

5 性格の不一致で離婚するときの注意点

(1)離婚原因の証拠を集める

性格の不一致以外に、不倫やDV、モラハラといった原因で離婚する場合、必ず証拠をそろえましょう。

証拠があれば、協議離婚や調停離婚における話し合いを有利に進めることが可能となります。

また、裁判において、相手が離婚原因を争っている場合には、証拠がなければ請求が認められません。

そのため、必ず証拠を集めるようにしてください。

証拠は1つではなく、複数あることが望ましいです。

関連記事:【完全版】旦那の浮気の証拠がつかめない?不倫の証拠14選を紹介

 

(2)財産分与や養育費は別途請求できる

慰謝料を受け取ったからといって、財産分与や養育費の請求ができなくなるわけではありません。

慰謝料が支払われたとしても、財産分与や養育費の請求は別途可能です。

離婚時に取り決めなかった場合であっても、離婚後に取り決めて請求することは可能です。

ただし、財産分与は離婚後2年以内に請求しなければ、時効によって消滅してしまうため注意してください。

また、夫婦の話し合いにより取り決めた養育費についても、請求することができることを知った時から5年で時効により消滅します。

関連記事:結婚25年の熟年離婚、妻への財産分与はどうなる?

関連記事:養育費請求権は5年で消滅?時効を阻止する方法とは

 

(3)離婚にこだわらない

離婚にこだわらず、別居するというのも1つの手です。

別居することによって、お互いの良さや反省点に気づかされ、夫婦関係が改善されるかもしれません。

仮に、離婚したい気持ちが変わらない場合であっても、長期間の別居という事実によって、離婚が認められる可能性があります。

もし、離婚したい理由が性格の不一致のみであるのなら、一度別居を検討してみると良いでしょう。

 

6 まとめ

今回は、性格の不一致で離婚したら慰謝料はいくらもらえるのか、相場と請求方法について解説しました。

原則として、性格の不一致を理由に離婚した場合、慰謝料請求はできません。

しかし、当事者で取り決めた場合や、不倫やDV,モラハラといった事情がある場合には、慰謝料を請求することができます。

そのような場合には、相手に慰謝料を請求しましょう。

裁判に限らず、話し合いにおいても証拠は重要となりますので、必ず証拠を集めるようにしてください。

慰謝料が支払われる場合であっても、財産分与や養育費は別途請求可能です。忘れずに請求しましょう。

離婚する理由が性格の不一致のみであり、相手が離婚に応じてくれない場合は、別居することも1つの手です。

もし、どうすれば良いか分からず、ご不安な様でしたら、一度弁護士に相談することをお勧めします。

このコラムの監修者

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