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オンラインゲーム内の浮気でも慰謝料請求できる?証拠の集め方と注意点

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「妻が最近人気のオンラインゲームを通じて,他の男と仲良く連絡を取っていることが判明しました。最近だと,ゲームを利用したマッチングアプリみたいなものもあると聞いたことがあります。

オンラインゲームとはいえ,他の男と仲良くしていることに非常に違和感を覚えていますし,現実世界でも不倫をするんじゃないかと思うような会話もしています。

私としては,趣味を楽しんでもらうことは構わないのですが,それが原因で不倫されているんじゃないかと思うと,不安で夜も眠れません。

今回のように,オンラインゲームで他の男と仲良くしているときに,慰謝料を請求することはできないのでしょうか」

最近は,インターネットの普及や機器の進歩,性別問わずゲームをプレイする人口が増加したことによって,オンラインゲームを通じて知り合った異性との不倫もよく耳にするようになりました。数年前には,元モーニング娘。の後藤真希さんが,オンラインゲームを通じて一般人男性と不倫をしていたということもあり,不倫のきっかけとしてオンラインゲームが挙げられることも珍しくなくなっていくと思われます。

本コラムでは、オンラインゲームをきっかけにどのようなことまでしてしまったら不倫となるのか,不倫をしていた場合に慰謝料を請求できるのか否かについて解説します。

1 オンラインゲーム内の不貞行為でも慰謝料請求できる?

(1)オンラインゲームをきっかけとして不倫がなぜ発生するのか

オンラインゲームを通じた不倫が増えてきたのはなぜでしょうか。

これはオンラインゲームを一緒にプレイすることに,男女の仲を深める要素がたくさん盛り込まれているからだと考えられています。

具体的には,以下のような要素があり,多くの仲良くなるきっかけが見受けられます。

 

①同じゲームを一緒にプレイしているということ

オンラインゲームで仲良くなるということは必然的に同じゲームをプレイしていることになります。

そのため,一緒に同じゲームをプレイしている時点で,共通の話題があり,同じゲームが好きという状況が出来上がっていることになりますので,マッチングした時点で仲良くなる状況が存在していることになります。

また,オンラインゲームのほとんどは,複数人で協力することを前提として,ある程度の時間がかかるようなゲーム設計になっていることが多いです。つまり,同じ目標に向けての共同作業をすることになりますから,プレイ時間が長くなればなるほど強い関係性が構築されます。さらに一緒に何かの目標をクリアしたりすれば,達成感を得られ,それをきっかけに親密になることが多いようです。

このように,オンラインゲームをプレイすること自体に,他人と仲良くなる要素が盛り込まれていることになります。

顔が見えない分,バッドコミュニケーションが起こることも少なくないオンラインゲームですが,それ以上に仲良くなる土壌が形成されていることになります。

 

②密接な連絡を取ることが多い

オンラインゲームでは,チャットやボイスチャット(口頭でのやり取り)の機能が搭載されていることが多く,特に最近流行りのゲームでは,ボイスチャットで会話しながらプレイする機会が非常に多くなりました。

以前は,チャットやボイスチャットでは悪口や罵り合いが発生してすることが多く,プレイヤーから嫌煙されていましたが,最近では,プレイ中のスムーズな意思疎通が必要になるゲームが多くなったため,非常に利用されています。

また,ゲームのプレイは行わなくとも,ボイスチャットで雑談しながら電話のようにオンラインゲームを利用するような場面も少なくなく,コミュニケーションが活発に行われています。

他の人に知られないように2人きりのチャットを行えるような機能を備えているゲームがほとんどであり,よりプライベートなやり取りも行うことも可能になっています。

同じ趣味を持っており,コミュニケーションの回数も多くなるため,より親密になる機会が多いという特徴があるということになります。

さらに,ゲーム内でのコミュニケーションの結果,個人的な連絡先を交換したり,オフ会(現実世界で会うこと)を開催することでゲーム外でのやり取りをすることも多いです。

特に,オフ会は複数人で集まることが多いため,配偶者としては安心して送り出したとしても,結果的に不倫につながってしまうことも少なくありません。

 

③他の人にバレにくい

不倫を目的としてマッチングアプリを始める人はいますが,最初から不倫目的でオンラインゲームを行う人はほとんどいません。オンラインゲームをする人は,基本的にそのゲームを楽しむためにゲームを始めるので,何回かオンラインゲームで不倫を繰り返している人でもなければ,その目的は純粋にゲームを楽しむことから始まります。

そして,仲良くなってチャット等をしていても,他の人からすればゲームを楽しんでいるようにしか見えないので,ゲームの仕組み上,不倫を疑われることも少なくバレにくいのです。

オフ会で会う際も,複数人で会ったり同性の方もいることが多く,なかなか不倫に気づくきっかけがなく,発覚が遅れてしまうことが多いです。

このような複数の理由からオンラインゲームは,仲良くなる土壌があり,見つかりにくいという特性も併せ持っているため,不倫に発展してしまうことがあるのだと考えられます。

 

(2)どのような場合に不倫と認められるか

次に,実際に,どのような行為をすれば不倫と認められるのでしょうか。

不倫の慰謝料請求をするためには,不貞行為が認められる必要があり,具体的には,配偶者以外の異性と性的関係を持った場合には慰謝料を請求することができます。

不貞行為が認められる典型例は,以下のページで確認してください。

【まとめ】嫁が浮気・不倫してるかも…20個のチェックリストと夫の4つの対応

【完全版】旦那の浮気の証拠がつかめない?不倫の証拠14選を紹介

 

今回は,オンラインゲームでの不倫の場合をケース別に検討していきます。

 

①通常のプレイ,チャット

オンラインゲームの通常のプレイをしていたり,仲の良いチャットをしているというだけでは,配偶者以外の人間と性的関係を持っているとはいえませんので,この場合には慰謝料を請求することはできません。

 

②過激なチャット

では,通常のプレイの範囲を超えて,性的な関係を匂わせるチャットやボイスチャットを行っている場合,いわゆるテレフォンセックスのようなチャット・ボイスチャットを行っている場合はどうでしょうか。

この場合も,実際に肉体関係を有しているわけではないことから,原則として,慰謝料を請求することはできません。

ただし,実際に会っていることが確認された場合などは,実際に会った上で過激なチャットを行っているため,肉体関係がなければこのようなチャット等を行わないだろうと判断され,過激なチャットを理由に不貞行為として認定される可能性はあります。

 

③オフ会で会っている

現実世界で会っているというだけでも配偶者以外の人間と性的関係を持っているとはいえませんので慰謝料を請求することはできません。

現実世界で会うことを利用して,肉体関係を持った場合には,配偶者以外の異性と性的関係を持ったと判断され,慰謝料を請求することができます。

 

④例外的な場合

例外的な場合として,配偶者があまりにもゲーム仲間の異性に夢中になりすぎて、結婚生活が破たんする場合も想定できます。

この場合は、民法第770条1項5号の離婚事由“その他婚姻を継続しがたい重大な事由”に該当し,離婚事由を作り出してしまったとして,その配偶者に慰謝料を請求できる可能性があります。

この場合の慰謝料請求は,自宅に帰ってきてもオンラインゲームばかりをして夫婦の会話がない、家事・育児に協力せずオンラインゲームばかりしている,配偶者がオンラインゲームにお金をつぎ込み,生活費の支払いがなく家計が困窮しているような場合等,夫婦としての関係を継続することが事実上不可能な場合に限られます。

 

2 オンラインゲーム内の不倫はどのように証明する?証拠の集め方

(1)どのような証拠があるか

不倫の慰謝料を請求するためには,不倫が実際に行われた証拠を収集する必要があります。

オンラインゲームの場合,他の場合と比べて気をつける点がありますので,それに注意して証拠を収集する必要があります。

どのような証拠があるのか,オンラインとオフラインを分けてご説明します。

 

①オンラインの証拠

まずは,オンラインの証拠についてです。

典型的なものでいえば,チャットの履歴や,LINE・メールの履歴になります。ボイスチャットでのやり取りの場合,ゲーム内に録音が残っている場合もあります。

チャットをしているだけでは不倫にはなりませんが,ここから実際に会っている日付等を特定できたり,実際に肉体関係があったことが発見されたりします。

また,同じゲームのアカウントを取得して,ゲームに参加して様子を確認するということも考えられます。一緒にプレイする中で不貞をしていることを自白することもありますので,その様子を録画して証拠とすることができます。

 

②オフラインの証拠

オフラインの証拠は通常の不貞とほとんど変わりません。

そのため,不貞の証拠収集は,以下のコラムを参考にしてください。

参考記事:慰謝料請求に必要な「証拠」とは

参考記事:慰謝料請求に役立つ証拠の取り方

参考記事:【完全版】旦那の浮気の証拠がつかめない?不倫の証拠14選を紹介

 

 

ただ,これら以外にもオンラインゲームをきっかけとした不倫の場合,部屋に録音機を仕掛けて,ボイスチャットの様子を録音しておくということも検討できます。

多くの場合は,単にゲームをしている様子の録音が取れることになりますが,ゲームをしながらボイスチャットで会う予定等を立てることも少なくないのでそこから他の証拠を取ることにつながります。

 

(2)違法となる証拠集めの方法

オンラインゲーム特有の問題として,他人のアカウントを利用して証拠を収集すると不正アクセス禁止法に該当する可能性があるという問題があります。

不正アクセス禁止法に違反したというだけでは,必ずしも証拠能力は否定されませんが,不倫の事案は感情的なもつれが生じ,違法に証拠を収集したことを攻撃され,泥沼化することが多いです。

相手が警察に不正アクセスをされたと告げると,刑事事件にも広がりかねないので,不正なログインはしない方がよいでしょう

 

3 オンラインゲーム内の不倫でもらえる慰謝料の相場は?

オンラインゲームをきっかけとした不倫も結局不倫には変わりませんので,通常の慰謝料と同程度の慰謝料(50万円~300万円)を請求することができます。

不貞慰謝料については,以下のコラムにて詳細に説明していますので,こちらもご覧ください。

参考記事:離婚慰謝料の相場は200万円?不倫・浮気・DVなど離婚の原因別に見る支払い条件と交渉方法

参考記事:不倫の離婚慰謝料の増額と減額〜判例ごとの相場も紹介〜

 

4 慰謝料請求する場合の注意点

(1)不貞相手の連絡先がわからない

オンラインゲームがきっかけで始まった関係になる場合,不貞相手の電話番号や住所まで知っているという事例は比較的少なく,不貞相手の連絡先が分からないという問題が生じます。

連絡先が分からない場合,慰謝料を請求する書面等を送れないため,事実上,慰謝料を請求することができないという問題が生じてしまいます。

 

(2)弁護士会照会等を利用する

しかし,連絡先が分からない場合でも,ゲームIDやLINEのIDがわかれば,弁護士照会制度という制度を利用することによって住所や電話番号が判明する場合もあります。

そのため,不貞相手の情報が少しでもわかっていれば,弁護士に相談することによって請求することが可能になる場合もあるので,諦めずに弁護士に相談してみてください。

 

5 まとめ

オンラインゲームをきっかけに配偶者の方が不倫をしているか不安になった場合には,まず,配偶者の方がどのようなやり取りをしているのかその言動に注意しましょう。ゲームだけでなく,現実世界でも実際に会っているとなると,不倫をしている可能性が高まりますので注意が必要です。

配偶者の方がオンラインゲームを通じて不倫していることに気づき,どうすればいいのか悩んでいらっしゃったら、慰謝料請求に積極的に取り組んでいる弁護士に相談してみてください。

このコラムの監修者

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