デートDVで慰謝料を請求するにはどうしたらいいの?9つのチェックリスト付き
異性と付き合っていた時に,暴力を受けていた,嫌がっているのに性的行為を強要された。
そういった行為は,デートDVに該当する可能性があります。
婚姻関係になくても,DVが認められる場合には,慰謝料を請求することが可能となります。
しかし,単に付き合っていただけだけという認識で,DVを受けている自覚がなかったという方もいらっしゃるでしょう。
今回は,デートDVとは何なのか,デートDVを受けた場合に慰謝料を請求する方法や相場などについて,解説します。
目次
1 デートDVとは?9つのチェックリスト
(1)デートDVとは
未婚のカップルの間で生じるDVのことです。
DVとは,ドメスティック・バイオレンスの略で,配偶者や恋人など親密な関係にある,または,親密な関係にあった者から振るわれる暴力を意味します。
ここでいう暴力とは,殴る蹴るといった身体への攻撃に限らず,精神的な暴力,性的な暴力,経済的な暴力といった様々な種類の暴力を指します。
(2)デートDV9つのチェックリスト
最初は,大したことではないからと気にしていなくても,いつの間にかデートDVが始まっている場合があります。
誰にでも起こりえる身近な問題であり,身近すぎるため,「仕方がない」「運が悪かった」などと諦めるケースもあります。
一方で,気付かぬうちに相手に支配され,そもそも自身がDVを受けていることに自覚がないケースもあります。
まずは,自身がデートDVを受けていることに気付くことが重要です。
以下のチェックリストに該当する場合は,要注意です。
□1.殴る蹴るといった暴行を受けた □2.暴言吐かれた,怒鳴られた □3.日常的に,何度も無視される □4.LINEのトーク履歴やメールの内容などをチェックされた □5.性行為を強要されたり,裸の写真を送らされたりするなどの性的嫌がらせを受けた □6.お願いしたのに避妊してくれなかった □7.中絶を強要された □8.外食や旅行などの費用を支払わせられる □9.働くことを禁止された |
2 デートDVで慰謝料を請求するにはどうしたらいいの?
デートDVによって,精神的苦痛を受けた場合には,慰謝料請求することが可能です。
以下では,慰謝料を請求する方法をご紹介します。
(1)話し合う
まずは,相手と話し合うことが考えられます。
慰謝料につき,相手との話し合によって合意に至れば,慰謝料の請求が認められます。
もし,合意にいたった場合には,必ず合意した内容を「合意書」などといった形で書面化し,証拠として残しておくようにしましょう。
書面にしておくことで,後に言った言わないのトラブルを防ぐことが可能となります。
また,書面を「公正証書」にしておくと,偽造や紛失といったおそれがなくなります。
公正証書に,支払が滞った場合は直ちに強制執行を受けてもやむを得ないといった内容の記載をしておくと,相手が支払わなかった場合に,迅速な回収が可能となります。
(2)内容証明郵便を送る
DVを受けていた場合には,相手が怖いといった理由で,中々話し合うことが難しいかもしれません。
相手と話し合うことが難しい場合には,内容証明郵便を送ることによって,慰謝料を請求することが可能です。
内容証明郵便とは、送った書面の内容や発送日、相手が受け取った日付などを郵便局が証明する郵便サービスです。
ご自身で作成し,送ることもできますが,弁護士が作成した内容証明郵便を送ることによって、相手に心理的なプレッシャーを与えることができます。
相手は,事の重大さに気付き、慰謝料の支払いに応じる可能性があります。
(3)裁判を起こす
相手がDVを認めない,あるいは,DVは認めていても慰謝料請求に応じないといった場合には,最終的に裁判を起こして,慰謝料を請求することになります。
裁判では,当事者の主張と提出された証拠をもとに,裁判所が一方的に慰謝料請求を認めるか認めないかの判断を下すことになります。
裁判では,必ず証拠が必要となりますので,できる限り多くの証拠を集めておきましょう。
また,裁判では,相手が争う場合,どうしても時間がかかってしまいます。
その分,ご自身の精神的負担も大きくなるでしょう。
そのため,裁判を検討の際には,一度弁護士に相談することをお勧めします。
(4)弁護士に相談・依頼する
話し合いの段階で,慰謝料請求を弁護士に依頼することもできます。
相手が話し合いに応じない場合であっても,弁護士であれば,対応が変わるかもしれません。
弁護士は,法律のプロであると同時に,交渉のプロでもあります。
法律知識や相場に基づいて,相手との交渉をうまく進めることができるでしょう。
裁判の段階でも,弁護士に依頼することはできますが,できるだけ早い段階で弁護士に依頼することが,早期解決へと繋がります。
早期解決によって,ご自身の負担も軽減されるでしょう。
3 デートDVで慰謝料を請求する相場はどのくらい?
デートDVによる慰謝料の相場は,数十万円~100万円程度です。
DVを理由とする離婚の場合は,50万円~300万円程度ですが,デートDVの場合は,離婚の場合と比べると,慰謝料として認められる金額は低くなる傾向にあります。
デートDVは,他人から暴力を振るわれた場合と同じであり,一般的に,DVが原因で離婚する場合と比べ,受ける精神的苦痛が小さいと考えられるからです。
しかし,具体的な事案によっては,高額となるケースもあります。
例えば,暴力の程度がひどい,長期にわたって何度も暴力を受けた,精神的に追い詰められ精神疾患を患った場合などが挙げられます。
4 デートDVで慰謝料を請求する際に気をつけないといけないこと
(1)証拠を集めておく
相手と付き合っている間は,相手のことが好きという気持ちや,相手に嫌われたくないといった気持ちから,DVを受けていても我慢してしまうかもしれません。
しかし,慰謝料を請求する場合には,相手がDVを認めない限り,裁判となって,証拠が必要となります。
そのため,DVを明らかにする証拠を集めておきましょう。
例えば,暴力を振るっている様子が分かる動画や,日常的に暴言を浴びせられていることが分かる音声記録などです。
暴力によって,怪我した場合や障害を負った場合には,必ず診断書などを残しておきましょう。
DVを受けた日時や状況など,詳細な情報をメモしておくことも重要です。
(2)被害届を提出しておく
過去に付き合っていた相手であっても,慰謝料を請求すると,逆上し,再びDVをしてくる,ストーカーに発展する,リベンジポルノするなどと脅されるケースがあります。
できるだけ相手の行為がエスカレートしないよう,対応する必要があります。
警察に相談して被害届を提出すると,警察に動いてもらえる可能性があります。
また,警察が動き,相手が逮捕されると,相手が示談交渉を行う結果として,慰謝料を支払ってもらえる可能性もあります。
身の危険を感じるようでしたら,必ず警察に相談し,被害届を提出しましょう。
ご自身の身の安全を第一に,慎重な対応をとるようにして下さい。
内閣府が行っている「DV相談プラス」で,相談することも可能です。
5 まとめ
今回は,デートDVとは何なのか,慰謝料を請求する方法や相場などについて,解説しました。
未婚のカップルであっても,DVによって,精神的苦痛を受けた場合には,慰謝料請求することが可能です。
一般的に,慰謝料を請求するには,まず相手と話し合うことが考えられますが,DVを受けていた場合には,相手と顔を合わせて話し合うことは難しいでしょう。
そのため,慰謝料請求する場合には,一度弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に相談することによって,具体的状況に応じた適切なアドバイスを得られることができるでしょう。
弁護士法人法律事務所ロイヤーズハイには,慰謝料請求に関する豊富な経験と知識を有する弁護士が多く所属しています。
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このコラムの監修者
田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録
弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、また100人以上の方の浮気、不貞、男女問題に関する事件を解決。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、 豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。