不倫・浮気に走る原因は●●が原因
近年,婚姻件数に比べ,離婚件数の占める割合が格段に大きくなっています。厚生労働省の統計(人口動態統計の年間推計)によれば,平成27年の離婚の割合は約34.6%です。
離婚の原因は様々ですが,大きな原因の1つに「不倫」があげられることは,想像に難くありません。少し古いものですが,男性の約61%,女性の約27%が「不倫の経験がある」と回答したという,アンケート結果も存在します。
離婚は,せっかく築き上げて家庭を失うことを意味します。なぜ,「家庭を壊すかもしれない」というリスクを背負ってまで,不倫をしてしまうのでしょうか。
ここでは,不倫・浮気に走ってしまう原因が何なのか,具体的にお話ししようと思います。
目次
1 不倫に走る主な原因
(1)「異性」として意識しなくなった
恋は下心,とは言いますが,結婚して何年も経つと,お互い配偶者に「恋」をしていた頃の気持ちを失いがちです。毎日顔を合わせていると,そこにいることが当然になってしまいます。特に子供が出来てしまうと,「父」「母」としての顔を重視してしまい,お互いに異性として意識する機会は極端に減るでしょう。
配偶者を異性として意識しないことで,いわゆるセックスレスの状態が生まれる夫婦も少なくありません。男性の場合,女性に比べて種族本能が強いと言われます。子孫を残すために,本能的に性欲が強いものなのです。セックスレスの状態が続くと,男性は不倫に走りやすくなるのかもしれません。
妊娠中は,安全面を考慮してセックスを拒む女性が多いです。妻の妊娠中に不倫をしてしまう男性が多いのは,こういった理由からなのです。
また,女性の場合であっても,「女」として見られたい,という欲求を持っています。夫よりも優しく,自分を「女性」として扱ってくれる男性が現れると,「妻」「母」の顔を脱ぎ捨て,ついその男性の元に走ってしまうのです。
(2)ストレス発散
単にストレスを発散するために不貞に走るというケースは,男女ともに見られます。
たとえば,夫婦喧嘩をした腹いせに,仕事がうまくいかないイライラをぶつけるために,配偶者へのちょっとした不満を解消するために…等,理由は様々です。更に,配偶者に不倫をされたから,自分も仕返しに,というケースも少なくありません。
ストレス発散のために不倫をするケースでは,その時々の不満・ストレスのはけ口ですから,不倫も一時的なものが多いでしょう。イライラして飲みに行って,酔った勢いで…という場合は,こういった事情が背景にあることが多いです。
ほんの一時的な気分で不貞行為に及んでしまっているため,家庭を壊すかも,という考えには至らないことが多いようです。そのため,一時的な不倫が配偶者に知られ,離婚問題に発展した時に,「あの時なぜ…」と後悔するケースがほとんどです。
(3)刺激が欲しい
不倫は許されないものです。そのため,「許されないことをしている」「配偶者にバレたら家族を失うかもしれない」という背徳感から,不倫に走ってしまうケースも考えられます。許されない恋はかえって燃え上がる,というやつです。
スリルを味わいたい,というギャンブル精神も関係するのかもしれません。
(4)「恋」していたい
先ほどもお話ししたように,結婚生活が長くなると,配偶者に「恋」はしなくなります。それでも,「いくつになっても恋をしたい」という人は多いです。特に,女性に見られる傾向でしょう。
心の隙間を埋めてほしい,いつでもドキドキしていたい,という人は,恋愛体質なのかもしれません。少し優しくされたり,タイプの人が目の前に現れると,ついつい「恋」に走ってしまうのです。
2 不倫をしない・されないために
(1)不倫のきっかけは…
不倫関係に陥るケースとしては,「職場の同僚」が多いでしょう。平日の日中を共に過ごし,ぶつかる苦難に立ち向かっているいわば「同志」なのですから,そのまま男女の関係に…というケースが多いのです。
また,同窓会等で出会った同級生と…というケースも少なくありません。
夫や妻が,「仕事が忙しい」としきりに口にするようになり,「会社に泊まっている」等と言って外泊が増え始めたら,もしかしたら不倫をしているかもしれません。
同窓会をきっかけに,外出が増えたり,携帯をこそこそチェックするようになったら,これもまた不倫が始まっているかもしれません。
ただし,本当に仕事が忙しい場合や,同窓会で出会った級友とランチを楽しんでいるだけという場合だってあります。むしろ,こちらのケースの方が多いでしょう。
あまり勘繰りすぎると,「信用してくれてないの!?」と,かえって夫婦関係にひびが入ってしまうかもしれません…
(2)不倫をしない・されないためには…
何年たっても仲の良い夫婦は,「夫婦の時間」を大切にしているものです。少しの時間でも良いですから,2人だけの時間をもつようにしましょう。
何年も一緒にいると,相手のダメなところばかりが目に付くかもしれません。それでも,もう一度,配偶者の良いところ・素敵なところを見付けようと努力することも大切です。「好きなところ」があったからこそ,結婚したのですから。
また,ストレスをためないために,趣味の時間を持つことも大切です。ジムに通ったり,習い事を始めたり,様々な人と交流をもつことでストレスを解消できることも多いでしょう。
余談ですが,趣味に時間をかけはじめたら不倫を疑うべき,なんて言われることもあります。特に,スイミングスクール等は不倫の良い口実になるようです。プールで泳いだ後はシャワーで体を流します。つまり,シャワーを浴びて帰っても怪しまれないというわけです。
ストレスを溜めないために趣味に没頭しているのに,逆に不倫を疑われる,なんてこともあるかもしれません。疑いすぎると,かえって夫婦関係にひびが…というお話は,先程したのと同じです。
「怪しい」と思い始めたらきりはないでしょうが,円満な夫婦関係を維持するためには,「何事もほどほどに」が一番大切なのかもしれません。
このコラムの監修者
田中 今日太弁護士(大阪弁護士会所属)弁護士ドットコム登録
弁護士法人 法律事務所 ロイヤーズ・ハイの代表弁護士を務める。 大手法律事務所で管理職を経験し、また100人以上の方の浮気、不貞、男女問題に関する事件を解決。 お客様を精一杯サポートさせていただくことをモットーとし、 豊富な経験と実績で、最善策の見通しを即座に迅速かつ適切な弁護活動を行う。