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50代で離婚すると慰謝料の相場は50万〜300万円!?請求する条件と方法

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50代で離婚すると慰謝料の相場は50万〜300万円!?請求する条件と方法

どんなに婚姻期間が長く続いていたとしても,離婚はありえないものではありません。

むしろ,長く連れ添ってきたからこそ,積み重なってきた不満やストレスも多くあるのではないでしょうか。

しかし、婚姻期間が長い分、離婚によってこれまでの生活が大きく変わることに対する不安も、非常に大きいことと思います。

本コラムでは,そのような50代の方の熟年離婚について,どのような場合に慰謝料を請求できるのか,請求できる慰謝料の相場はいくらぐらいなのかについて,解説いたします。

目次

1 50代で離婚する熟年離婚が増えている!

50代で離婚する熟年離婚が増えている!

婚姻期間が20年以上に及ぶ夫婦の離婚である「熟年離婚」の割合は,年々増加しています。

離婚の原因は夫婦によってさまざまですが,それまでは子どものためや生活費のために離婚を思いとどまっていたものの,子どもの独立や相手の定年退職等をきっかけとして離婚に踏み切るという方もおられるかと思います。

また、熟年離婚の場合、夫婦それぞれの両親の介護や、配偶者自身の介護等の必要が生じ、それによる精神的、肉体的負担などから、離婚を考えるようになる方もおられることでしょう

厚生労働省の調査によれば,令和2年に離婚した夫婦のうち,20年以上同居した「熟年離婚」は21.5%を占めており,50代で熟年離婚をされる方は決して少なくありません。

 

2 熟年離婚の慰謝料を請求する条件とは?

熟年離婚の慰謝料を請求する条件とは?

離婚すれば相手に必ず慰謝料が請求できる,というわけではありません。

慰謝料は,相手に非がある場合に,それによって被った精神的苦痛の損害賠償として支払われるものですので,相手に非がないような場合には離婚したとしても慰謝料は請求できません。

例えば,

 

・性格の不一致

・価値観の不一致

・宗教観や政治思想の対立

・お互いに落ち度がある場合

 

等には慰謝料の請求は難しくなります。

逆に,以下のような場合であれば,相手に慰謝料を請求できる可能性があります。

 

(1)不貞行為

相手が配偶者以外の人と性的関係に及ぶ,いわゆる不倫行為を行った場合には,慰謝料を請求することができます。

ただし,慰謝料を請求するには,基本的にはデートや食事に行った等というだけでは足りず、不倫相手と肉体関係があったことが必要になります。

 

(2)DVやモラハラ

DVとはドメスティック・バイオレンス,すなわち家庭内暴力のことです。

殴る蹴る等の力による暴力だけでなく,暴言や罵倒等の精神的な暴力や,金銭の自由を奪う経済的暴力も,DVにあたりえます。

モラハラは,正式にはモラル・ハラスメントと呼び,言葉や態度によって精神的な苦痛を与える行為です。

相手の人柄や性格を否定する行為,理由もなく相手を無視したり不機嫌な態度をとったりする行為が,これにあたります。

 

(3)悪意の遺棄

夫婦には,同居義務,協力義務,扶養義務があります。

相手が正当な理由なくこれらの義務を怠った場合には,「悪意の遺棄」として慰謝料を請求することができます。

具体的には,理由もなく勝手に出て行ってしまい自宅に帰ってこない,配偶者を一方的に自宅から追い出す,収入があるのに生活費を入れない,などの場合には「悪意の遺棄」に該当する可能性があります。

 

(4)セックスレス

セックスレスとは,長期間にわたって性交渉がない状態をいいます。

合理的な理由なく相手から性交渉を拒絶されたことでセックスレスになり,その結果離婚に至ったという場合には,相手に慰謝料を請求できる可能性があります。

もっとも,婚姻期間の長い夫婦であれば,性交渉のない状態が長期間継続しており,双方ともに性交渉を望んでいない状況であるというケースもありえるところです。

このような場合には,慰謝料を請求することは難しくなります。

 

3 50代で離婚する熟年離婚の慰謝料相場は?

50代で離婚する熟年離婚の慰謝料相場は?

50代で離婚する熟年離婚の慰謝料の相場は,50万円~300万円程度です。

慰謝料の金額は,様々な要因によって増減しますが,婚姻期間が長いという事実も慰謝料を増額できるポイントになります。

そのため,50代で離婚する熟年離婚の場合,婚姻期間の短い夫婦が離婚する場合に比べ,高い金額の慰謝料を請求できる可能性があります。

もちろん,慰謝料の金額を左右する要素は,婚姻期間の長さだけではありません。

以下のような事実によっても,慰謝料の金額は増減することになります。

 

(1)不貞行為の回数

不貞行為の回数が多く、不貞期間が長いほど慰謝料の金額は高くなります。

回数が多く、期間が長いほど、これによって受ける精神的苦痛も大きくなると考えられるからです。

 

(2)DVやモラハラの頻度・回数

DVやモラハラの頻度や回数が多いほど慰謝料は高くなります。

また、それによって受けた被害の大きさも、慰謝料の金額に影響します。

被害者側に落ち度がない場合にも、より高い金額を請求できる可能性があります。

 

(3)悪意の遺棄の期間・状況

勝手に家を出て行った期間や、生活費を渡さなかった期間が長いと、慰謝料の金額は高くなる傾向があります。

また、悪意の遺棄によって他方の配偶者が置かれた状況の過酷さによっても、慰謝料が増減されることになります。

 

(4)セックスレスの期間

セックスレスの期間が長いほど慰謝料の金額は高くなります。

また、不倫相手とは性交渉をしているという場合にも、より高い慰謝料を請求できる可能性があります。

そのほか,離婚の原因である相手の不法行為以前における夫婦の関係も,慰謝料の金額に影響することがあります。

つまり,もともと円満だった夫婦であれば、相手の行為によって特に精神的に大きなダメージを負う可能性があるため,慰謝料も高くなることが考えられます。

逆に,もともと夫婦関係が破綻していた場合には、慰謝料額が少なくなってしまうということもありうるところです。

関連記事:離婚慰謝料の相場は200万円?不倫・浮気・DVなど離婚の原因別に見る支払い条件と交渉方法

 

4 熟年離婚の慰謝料を請求する方法

熟年離婚の慰謝料を請求する方法

配偶者に離婚の慰謝料を請求したいという場合、以下のような方法をとることになります。

 

(1)相手との協議

まだ相手ときちんと話ができる状況である場合、まずは話し合いで慰謝料の支払いを求めることになります。

話し合いで慰謝料の支払いやその金額について協議が成立したら、後からトラブルとなることを防ぐためにも、合意書や公正証書を作成しておくことをおすすめします。

 

(2)調停

相手との協議がうまくいかない場合には、調停を申し立てることが考えられます。

調停はあくまで当事者間の話し合いにはなりますが、中立的な立場である調停委員が間に入っての協議を行うことになるため、双方が感情的になってしまってなかなか話し合いが進まない場合などには有効な手段です。

 

(3)裁判

調停でも話がまとまらない場合には、裁判をすることになります。

手間や時間はかかりますが、話し合いでは一向に解決できなかった問題を、裁判で決着をつけることができます。

裁判で慰謝料を請求する場合、その根拠となる証拠がなければ裁判所には認めてもらえません。

そのため、どのような理由で離婚の慰謝料を請求するとしても、証拠をきちんと集めておくことは必要不可欠です。

 

5 まとめ

熟年離婚の場合、婚姻期間が長いがゆえに、離婚の際にもさまざまな事情が複雑に関わってきます。

慰謝料を支払わなければならないのか、支払うとすればどの程度の金額が妥当なのかを考えるにあたっては、それぞれの夫婦の事情や状況、離婚原因の内容等、さまざまな事情を考慮しての判断が不可欠となります。

離婚に伴って相手に慰謝料の請求を考えておられる方は、まずは一度弁護士にご相談ください。

このコラムの監修者

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