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盗聴器の音声は浮気の証拠になる?慰謝料請求で有効になる証拠とは

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もし、あなたが、あなたのパートナー(今回は「夫」に限定してお話します。)が浮気をしているのではないかと疑いを持った場合、あなたはどうやってその証拠をつかみますか。

夫の行動の変化や、携帯電話の使用方法等から、夫の浮気を疑ったとしても、その証拠がなければ夫に対する慰謝料請求や、浮気相手に対する慰謝料請求はできません。

しかし、夫の携帯電話はロックがかかっておりその中身を見ることはできず、また探偵に頼む費用もないので浮気の決定的な証拠をつかむことができない、夫に問い詰めても絶対に認めるわけがないし・・・さあどうしましょう。

このような状況に陥った場合、あなたは、盗聴器を仕掛けて夫とその不貞相手との会話を録音しようと考えるかもしれません。しかし、はたして、盗聴器によって証拠を得ることは法的に問題はないのでしょうか。

そこで今回は、盗聴器によって証拠を得ることの問題点についてお話していきたいと思います。

1 盗聴器を浮気の証拠をつかむために仕掛けるのは犯罪?該当する可能性のある罪名とは?

まず、「盗聴行為」そのものは、違法(ここでいう「違法」とは刑事罰の対象となる刑法上の違法性を意味します)ではありません。

そもそも、盗聴行為自体が違法となれば、自分の胸ポケットに忍ばせたボイスレコーダーで相手との会話を録音すること自体も処罰の対象ということになってしまいますが、そういうことではありません。

しかし、盗聴器を仕掛ける行為は、場合によっては違法になります。

たとえば、自宅や自分の所有する車に盗聴器を仕掛ける行為は違法ではありませんが、盗聴器を浮気相手の家に仕掛けるといった行為は、刑法第130条前段の住居侵入罪に該当し、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処せられるおそれがあります。

また、盗聴器を設置するために、浮気相手の車やその部屋の一部を改造したという場合は、刑法第261条の器物損壊罪に該当し、3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料に処せられるおそれがあります。

このように、盗聴器を仕掛ける場合は、その場所や方法によっては、刑事罰に問われるおそれがあります。

 

2 盗聴器の音声は浮気の証拠になる?

では、自宅や自家用車に盗聴器を仕掛けて得た録音音声は、浮気の証拠となるのでしょうか。

例えば、あなたの不在時に、夫が自宅に不貞相手を呼び寄せて不貞行為に及んでいるといった場合、その最中の録音に成功したのであれば、これは浮気=不貞行為を証明する重要な証拠になります。

このようなケースはドラマや漫画の世界ではよくあるかもしれませんが、実際は、夫が妻の不在中に自宅に不貞相手を連れ込むこと自体稀なケースでしょうし、その場面の録音に成功する可能性は低いと思われます。

可能性があるとすれば、自家用車の中で夫と不貞相手が会話をしているその会話内容を盗聴器によって録音したといったケースでしょう。

この場合は、その会話内容によって、証拠としての重要度合が変わってきます。例えば、車内で夫と不貞相手が、「二人で旅行に行ってからもう1年だね」や「この前泊ったホテルすごく綺麗だったね」等の会話をしており、その録音に成功したのであれば、これは浮気を証明する重要な証拠となりえます。

では、違法な手段によって盗聴したものの中に、このような重要な会話内容が録音されていた場合、これを不貞行為を証明する証拠として裁判所に提出することはできるのでしょうか。

このように、盗聴方法自体に違法性があったとしても、これのみによって即座に証拠能力が否定されるわけではありません。違法な手段によって収集された証拠の証拠能力が問題となった裁判で、裁判所は「その証拠が著しく反社会的な手段を用いて人の精神的肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法によって採集されたものであるときは、それ自体違法の評価を受け、その証拠能力を否定されてもやむを得ない」としました(東京高裁昭和52年7月15日判決)。

つまり、違法な方法で盗聴した場合、その証拠の証拠能力が裁判で認められるかどうかは一概に判断することはできず、ケースバイケースと言わざるを得えませんので、まずは弁護士の判断を仰ぐことが重要です。

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3 浮気の慰謝料請求で有効になる証拠とは

浮気を理由とした慰謝料を請求するためには、当然ですが、夫と不貞相手との肉体関係を証明できる証拠が必要です。

先ほども申し上げましたが、盗聴行為により得た、夫と不貞相手との会話の中に、「二人で旅行に行ってからもう1年だね」や「この前泊ったホテルすごく綺麗だったね」など、継続的な肉体関係や宿泊した事実を示す会話があれば、それは重要な証拠となるでしょう。

他方で、ただ「好き」や「可愛い」と言った言葉のみしか録音できていない場合は、それだけで慰謝料請求が認められる証拠となるとは言えないでしょう。

このように、盗聴器により録音ができたとしても、その内容によって重要度が大きく異なってきますので、この判断についても、弁護士に相談して確認する必要があります。

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4 迷ったら弁護士にご相談を

いかがでしたでしょうか。

盗聴器によって録音に成功したとしても、その方法次第では違法になる可能性もありますし、せっかく苦労して録音した証拠が裁判で使えない、もしくはあまり役に立たないという可能性もあります。

ですので、「夫が浮気をしているのは確実だが証拠がない」「盗聴器によって証拠を集めたい」とお考えの場合は、まずは弁護士に、その収集方法が法的に問題がないか、どのような会話の録音ができれば証拠としての重要なものになるかといった点を相談することをおすすめします。

このコラムの監修者

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