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一度の肉体関係で慰謝料請求は可能か

夫婦には、他の人と不貞行為をしないという「貞操義務」(民法770条1項1号)があります。
そして、貞操義務に違反した場合には、不倫された配偶者は不倫の相手に対して、不法行為に基づく損害賠償請求(同法709条)をすることができます。

1.一度の肉体関係や肉体関係なしの不倫でも慰謝料請求できる?

では、不貞行為とはどのようなことを言うのでしょうか。
不貞行為は、もともと配偶者以外の人と自由意思に基づいて肉体関係を結ぶ行為とされていました。
なので、仮に一度だけであったとしても、自らの意思で肉体関係を結んだときには、不貞行為とみなされることとなります。

そのような中、近年不貞行為という言葉の意味を考えさせられる裁判例が現われましたので、紹介します。
平成26年3月の大阪地裁でのプラトニックな不倫における不貞行為についてです。
男性と女性は会社の同僚であり、出張などで互いの地を行き来しデートを重ねていたところ、男性の配偶者である妻が原告として不法行為に基づく慰謝料請求をしたという事案です。
判決は、同僚女性が夫に何度も肉体関係を迫られながら、巧みにかわして「貞操」を守ったと認定していますが、その一方で、同僚女性が夫の肉体関係を結ぶアプローチをはっきりと拒絶せず、二人きりの時間を過ごしたことから、「同僚女性の態度と夫の(原告女性への)冷たい態度には因果関係がある」と判断し、慰謝料請求を認容しました。
この例から、近年は肉体関係がある場合にはもちろんのこと、肉体関係があると同視でき、配偶者が精神上の侵害をされたと認められる場合には不貞行為として慰謝料請求が可能である場合もあることをおさえておくと良いでしょう。

2.一度きりの不貞行為でも慰謝料は可能だが問題もある

1.証拠はあるか?

慰謝料請求が認められるためには、「故意または過失」によって、「法律上保護される利益を侵害した」事実が認められなければならず、その事実認定として証拠が必要となります。
証拠として有効なものには、

  • ・ホテルに出入りしている写真等
  • ・性行為の様子を表している写真等
  • ・肉体関係があったと推測できるメールやLINE
  • ・ラブホテルなどの肉体関係を推測する領収書

等が挙げられます。

以下気を付けなければならない点を2つ説明します。
不倫をしていたか否かの判断として、興信所に調査を依頼する方が多く、依頼した興信所によって作成された調査結果報告書に、ホテルに出入りしている写真等が添付されていれば、不貞行為の立証は比較的容易です。
ただ、興信所を依頼するときにかかる費用は事務所によって異なり、動員された人数やかかった時間によっては、100万円を超える報酬金を請求される場合がありますので、気をつけなければなりません。

次に、肉体関係にあったと推測することができないSNSや領収書等は、それ単体のみでは不貞行為の立証は困難になります。
同僚の関係であるならばメールのやり取りをすることはある程度自然なことであり、時には友人として2人で食事に行くこともあるかと思います。
もっとも、それらの証拠を組み合わせて事実を主張することによって、裁判官の心証が形成され、不貞行為の事実が認められるケースももちろんあります。
なので、肉体関係にある直接的な証拠が仮に見つからなかったとしても、弁護士にまずは相談してみることが肝要です。

2.慰謝料の額に影響する

本来不貞行為に基づく慰謝料請求は、平均として10万円から300万円までの額で収まることが多いです。
では、一回だけ肉体関係があった場合にはどの程度の額になるのでしょうか。
そもそも不法行為とは、法律上の利益を侵害された方を金銭的に保護することによって、当事者間の公平を図る制度です。
なので、一度の肉体関係でも慰謝料請求は継続的に行われてきた不倫行為と異なり、結婚生活の侵害の度合いがあまり高いとは言えません。
よって、一度だけの肉体関係による慰謝料請求は数十万円程度の比較的少額になることが多く、不倫の事実認定のために依頼する興信所や弁護士の依頼金及び報酬金を考慮すると、たとえ勝訴したとしても自分の手元にあまり金銭が残らないおそれがあるため、注意が必要です。

3.認める証言だけでも慰謝料は可能?

不貞行為を認める証言は、当事者が不利益となる証言であるため、自白(民事訴訟法179条)として証明することを要せず証拠になります。
よって、不法行為の要件としての、

  • ①原告の権利又は保護法益
  • ②①に対する被告の加害行為
  • ③原告の故意・過失(の評価根拠事実)
  • ④原告に生じた損害と金額
  • ⑤②と④の因果関係
  • ⑥違法性

が被告の証言によって明らかになれば、慰謝料請求は認容されるでしょう。

3.不貞慰謝料が請求できないケース

1.婚姻関係が破綻していた場合

婚姻関係が破綻していた場合、民法上の不法行為請求を認められないケースがあります。
例えば、もし浮気や不倫等の不貞行為によって、円満だった夫婦関係が悪化したような場合には、本来不倫された配偶者が有しているはずであった「婚姻生活上の平穏」という利益が侵害されたと言え、不法行為請求することができるでしょう。
反対に、婚姻関係が破綻していた場合、具体的には、不倫時すでに別居していた時や長期間夫婦間での会話がなかった時などは、法律上保護されるべき利益または権利がないと言え、慰謝料が請求することができませんので、注意が必要です。

2.不貞行為の相手に故意または過失が認められない場合

不法行為に基づく損害賠償請求が認められるためには、加害者の侵害行為と被害者の損害はもちろん、加害者の故意・過失の存在が立証される必要があります。
もし相手に「故意又は過失」がなかった場合には、相手の責任とすることはできませんので、慰謝料請求を提起したとしても棄却されることとなります。

3.不法行為の時効が成立する場合

不法行為に基づく損害賠償請求権は

  • ①被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき
  • ②不法行為の時から20年を経過したとき

に時効によって消滅します(同法724条)。
よって、もし配偶者が不貞行為をしていると気づいた際には、いち早く弁護士へ相談されることが重要です。
なお、裁判を提起した時や、慰謝料請求の催告をした際には、時効は中断し、時効のカウントがゼロに戻ることも併せて覚えておくといいでしょう。

4.本当に一度だけなのかよく調査しよう

慰謝料の金額や、そもそも請求が認容されるかどうかは、不貞行為が一度だけであったか複数回であったかによって大きく変化します。
慰謝料請求の訴えを提起する前に、自分が所持している証拠から複数回の不貞行為が認定できるかどうかを弁護士に相談されることをおすすめします。

最後に、証拠を見つける際に気をつけなければならない点がいくつかあるため説明します。
まず、不倫の証拠を発見するため配偶者の携帯電話やパソコンを見ることがあるかと思いますが、SNS等において配偶者に無断で他人のIDを用いてログインをすることは、不正アクセス行為を禁止する法律に該当するおそれがあります。
この行為をした際には、3年以下の懲役刑又は100万円以下の罰金刑に科されるおそれがある(不正アクセス行為の禁止等に関する法律11条)ため、証拠の収集は慎重に行う必要があるといえるでしょう。

このコラムの監修者

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