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中絶で慰謝料請求は認められるか?判例・相場・流れ・必要な証拠

望まない妊娠や、婚約破棄など、様々な理由があって中絶にいたることがあります。
中絶があった場合に、慰謝料請求を行って、金銭による支払いを受けることはできるのでしょうか。
本記事では、様々な裁判例を紹介しながら、どのような場合に慰謝料請求ができるかを検討します。

1.中絶でも慰謝料が認められるケースと判例

中絶で慰謝料が認められたのがどのようなケースだったのか、一例をご紹介します。

1:中絶を遅らせたケース

被告との交際中に妊娠した胎児を人工妊娠中絶した女性が、交際相手の男性は父性としての義務を怠って中絶に協力せず、むしろ女性に攻撃的な態度を取り続けて中絶による女性の苦痛を拡大させたとして、被告に対し、民法709条に基づき、426万3056円等の支払を求めたケースが有りました。

男性は、妊娠の可能性があることを認識しつつ原告と性行為をした結果、原告が被告の子を妊娠して中絶するに至ったのであるから、中絶による身体的・精神的苦痛や経済的負担を原告と応分に負担すべき義務を負うとし、同義務違反を認めて被告の不法行為責任を認定しました。
その上で、中絶慰謝料10万円、原告が支払った中絶費用及び水子供養費用の各2分の1並びにDNA鑑定費用の3分の1のほか、弁護士費用5万円の合計37万1465円を原告の損害と認定し、請求を一部認容しました(東京地判平成27年9月16日平26(ワ)8149号)。

2:結婚を拒み中絶を求めたケース

女子学生が、本件大学大学院博士課程に在籍中、同大学の准教授であった男性から、継続的なキャンパス・セクシュアル・ハラスメントを受け、また、男性は、結婚に向けた努力をするなどと称して女子学生との交際を継続したが、女子学生の妊娠が判明するや、女子学生との結婚を拒絶し、妊娠中絶を強要したなどと主張して、男性に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めたケースがありました。
このケースでは、男性からの指導を期待したことが交際の動機の一つとなっていたことは否定できないが、その交際は基本的に相互の愛情に基づくものであったというべきであるから、男性の女子学生に対する行為が、交際期間全体を通じてキャンパス・セクシュアル・ハラスメントとして不法行為に該当する旨の女子学生の主張は採用できないとしました。
他方、男性が交際解消を申し入れた女子学生を引き留めて性的関係を継続した挙げ句、妊娠判明後に結婚を拒み、妊娠中絶を求めたことは人格権侵害の不法行為に当たり、また、妊娠中絶に関する女子学生の不利益を解消しなかった男性の行為は女子学生に対する不法行為に該当するなどと判断して、慰謝料を200万円、弁護士費用を20万円と認定し、女子学生の請求を一部認容しました(東京地判平成27年3月27日平25(ワ)28330号)。

3:中絶せざるをえなくなったケース

交通事故の被害者である女性が事故の影響をおそれて妊娠中絶手術をした場合の手術費用について加害者に賠償を命じたケースがあります(東京高判昭和56年3月25日判タ446号107頁)

2.中絶慰謝料の相場

中絶慰謝料の相場は、一概に定まるものではありません。
慰謝料としてどのような行為や損害が対象になるかによっても異なります。

ミャンマー国籍を有する女性である原告が、交際していたネパール国籍を有する男性である被告から一方的に婚約破棄されたとして、不法行為又は債務不履行による損害賠償を求めたほか、人工妊娠中絶費用等を立替払いしたとしてその支払を求めたケースがありました。
二人は親密な男女関係を前提に同居生活を送っており、婚姻届の「夫になる人」欄に被告が署名していました。
裁判所は、このような事実関係の下において、遅くとも婚姻届作成時までには原被告間で婚姻予約が成立していたと認めた上で、被告はAと婚姻したことで原被告間の婚姻予約を一方的に破棄し、同破棄につき正当理由もないから被告は不法行為責任及び債務不履行責任を負うとして慰謝料200万円を認めて賠償請求を一部認容しました。

一方、人工妊娠中絶費用につき被告が当然に負担すべきであるとか、被告がその全額を負担する旨を約束したとはいえないとして、立替金請求は棄却されました(東京地判平成29年12月4日平28(ワ)41492号)。
このように、中絶それ自体の慰謝料としてではなく、婚姻予約の破棄として慰謝料が認められることもあるため、ケース・バイ・ケースということができるでしょう。

3.慰謝料請求の流れ

慰謝料を請求する方法は、必ずしも裁判手続きなどを利用しなくても自由に行うことができます。
まずは請求したい相手に慰謝料を支払ってほしい旨を伝えます。
任意の請求や交渉では折り合いがつかず応じてもらえない場合や、一度合意が定まっても相手が翻意するなどして慰謝料を支払ってもらえない場合には、裁判などの法律上の手続きを用いることになります。

4.慰謝料の請求に必要な証拠

慰謝料を請求するためには、慰謝料の支払いを求める側が、加害者の故意や過失、発生した損害、因果関係などを立証しなければなりません。
既婚者である妻が、既婚者である男性と性交渉をして妊娠したものの男性が妻との話合いに応じないなどの態度を取ったため出産を断念して人工妊娠中絶手術を受け、妊娠と中絶による経済的損害を受けたほか、不眠症、嘔吐症、自律神経失調症等に罹患して身体的精神的苦痛を受けたとして、男性に対し不法行為に基づく損害賠償を求めたケースがありました。
しかし、男性の精液検査の結果、自然妊娠の可能性はほぼないこと、妻には配偶者がいることなどの事実によれば、妻が妊娠した胎児の生物学的な父が当該男性であるとはいえず、男性にほぼ生殖能力が認められない状況下では、男性の言動をもって男性が胎児の生物学的な父であるとも推認できず、男性には、胎児の父として妻の身体的精神的苦痛、経済的負担といった不利益を軽減、解消、分担するための行為をすべき法的義務は発生しないから男性は不法行為責任を負わないとして、裁判所は請求を棄却しました。
このように、中絶による慰謝料を請求するためには、

  • ・加害者が妊娠の原因となっていること
  • ・加害者が妊娠や中絶について協力するべき立場にあるか

などを立証する証拠を集める必要があります。

5.弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼するメリットは様々あります。
大きなメリットは、慰謝料をそもそも請求することができるか、請求するためには何が必要かなどを確認することができます。
証拠が十分に揃っていない状態で交渉を行うと事後的に不利な立場におかされたり、一度裁判に負けると同じ内容の慰謝料請求ができなくなったりするため、慰謝料請求を行うには万全の準備が必要です。
この準備として具体的に何が必要なのかは、ケース・バイ・ケースであるため、専門家である弁護士と相談しながら準備を進めていく必要があります。

6.まとめ

中絶で慰謝料が認められたケースも認められなかったケースも様々あります。
中絶の際の慰謝料もその事案によって異なるため、一概に定めることはできません。
慰謝料を請求できるのか、自分のケースではどのように証拠を集めて、どのような流れで慰謝料を請求するべきかなどを弁護士などを弁護士などとよく確認しましょう。

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