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旦那をATM扱いする嫁と離婚したい!慰謝料は請求できる?

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旦那をATM扱いする嫁と離婚したい!慰謝料は請求できる?

私は結婚して6年目になります。小さい子供が1人いて,家族3人で仲良く生活していました。妻は専業主婦として,私を支えてくれていました。私としては,家族に不自由な思いをさせたくなくて,頑張ってバリバリ働いてきました。

ただ,最近,妻の私に対する態度が酷くなってきました。「あなたはお金を入れる以外に意味はない」「稼ぎが悪くないから離婚しないだけ」とか言ってきます。悪い言い方ですけど,私のことをATM扱いするようになったんです。このような状態には耐えられません。妻と離婚することはできないのでしょうか。

夫婦として頑張ってきたのに,パートナーとしてではなく,ただの金づる扱いされたらたまったものではないですよね。話し合って仲直りできれば一番いいのですが,それが叶わないとなった場合,離婚することもやむを得ないのかもしれません。

本コラムでは,このような場合の注意点等を,法的な視点から説明いたします。

目次

1 旦那をATM扱いするという理由で嫁と離婚することはできるのか

旦那をATM扱いするという理由で嫁と離婚することはできるのか

(1)協議離婚・調停離婚

離婚をするための最も簡単な方法として,協議離婚というものがあります。要は,夫婦の話し合いによる離婚で,いかなる理由であれ離婚ができます。決めるべき必須事項は,親権者のみで,離婚届を役所に成立すれば,それだけで離婚が成立します。

いきなり離婚の話を直接行うというのは,難しいものがあると思いますので,裁判所を介した話合いである,調停手続というものを検討することもあります。

ただ,協議離婚も調停での離婚も,話合いによる離婚となるため,妻の同意なく強制的に離婚することはできません。今回のように,夫をATM扱いする妻が,そう簡単に離婚に応じてくれる可能性は低いでしょう。

妻が離婚を拒否してくることを前提にした場合に,強制的に離婚できる方法として,裁判離婚という方法があります。ただ,裁判離婚は,相手の意思に反して離婚を強制的に成立させる手続きである以上,どんなん場合でも認められるものではありません。

 

(2)裁判離婚

では、今回のように,妻が夫をATM扱いする場合に,裁判離婚は可能なのでしょうか。

結論から申し上げますと,ATM扱いという理由だけでは離婚は難しいと言わざるを得ません。不倫とか,度を過ぎた暴力等があれば,離婚が認められる可能性は高いです。

法律上,(相手の意思に関係なく)離婚するための一般的な条件として,「婚姻を継続し難い重大な事由」を挙げております。確かに,ATM扱いというのは,多少の暴力などよりもつらいものがあると思います。

ただ,こういうものは第三者の目からは分かりにくいものであり,直ちに離婚が認められることにならないことが多いです。

 

そこで、裁判離婚を成立させるために,別居をすることが考えられます。長期間の別居があれば,裁判での離婚が認められます。長期間というのは具体的事件により様々で,裁判官の判断に委ねられるのですが,概ね4~5年程度の別居が必要とはいわれます。

ただ,結構な幅はあるようで,7年間の別居が必要なときもあれば,1年程度の別居でも離婚が可能な場合があります(もっとも,この1年の事例は,双方が離婚を望んでいたらしいことが裁判でも認められており,別居1年のみから離婚が認められたものではありません)。

筆者個人の感覚としては,裁判を起こすのであれば,その時点で最低でも3年半程度の別居は必要かと思います。

関連記事:法律的に認められる離婚理由とは

 

 

2 旦那をATM扱いする嫁と離婚する際、慰謝料は請求できるのか

旦那をATM扱いする嫁と離婚する際、慰謝料は請求できるのか

旦那をATM扱いする嫁と離婚する際、慰謝料は請求できるのでしょうか?

例えば,妻が,お金が入用の際(子供の入試等)に,「あなたがお金を稼ぐ係でしょ」といった場合でも,一応「ATM扱い」といえなくはなく,道徳的には問題があるかもしれませんが,これだけで法的な意味で慰謝料が認められるかといいますと,まず認められないかと思います。

他方で、数年間,毎日のように,「あなたには給料以外の価値はない」「あなたは夫じゃなくて私専用の銀行だから」と言い放つ場合や,逆に,数年間「お給料を渡して」以外に何も言葉を交わしてくれない場合のように,もはや人扱いすらしてくれない場合には,慰謝料が認められる余地はあるかと思います。

 

慰謝料の説明のため,両極端な例を出しましたが,実際はこの中間のような事案が多く,それゆえに慰謝料が認められないことが多いのです。

慰謝料についてもめた場合には,最終的には,裁判所の判断にゆだねられることになります。なお,この手の事件については,言った言わないの争いも相当数存在することから,何らかの形で,ATM扱いする言葉を形に残す(録音,メッセージアプリでやり取り等)ことをお勧めします。

 

3 旦那をATM扱いする嫁と離婚する際の注意点3つ

旦那をATM扱いする嫁と離婚する際の注意点

(1)財産分与

この種の事件では,夫の方がお金を稼いでおり,財産(預貯金,不動産,自動車,保険の解約金等…)を多く持っていることが多いかと思います。仮に妻にほとんど財産がないと仮定しますと,離婚となった場合,夫は財産の半分を妻に渡さないといけません。財産の総合計が1200万円の場合,600万円を妻に渡さなければなりません。これを,財産分与といいます。

さらに,現金・預貯金以外の財産が大半を占めている場合には,さらに面倒なことになります。例えば,夫の財産がマイホームのみで,価値が2000万円として,夫が家を手放したくないとなった場合。夫が家に住み続ける代わりに,1000万円を妻に支払わなければなりません(つまり,手元にお金がないのに,1000万円を支払わないといけないのです)。

ATM扱いをされて離婚をするのに,財産分与をしなければならないのは,非常に悔しい思いですが,法律的には,はこのように判断されてしまうのが実情です。

関連記事:家庭内別居は何年続くと離婚できる?財産分与はどうなる?

 

(2)婚姻費用

夫の方が妻より収入が高い場合に,別居をした場合,離婚が成立するまで,婚姻費用を妻に支払う必要があります。金額は,夫婦の収入の差と,妻が面倒を見る未成年の子供の人数,年齢により,大枠が算定されます。

妻が専業主婦で,子供がいる場合,相応に高い金額を支払う必要があるかと思います。子供を連れて別居することができれば,そこまでの金額にはならないかもしれませんが,この場合には,責任をもって子供を育て,養育環境を整える必要があります。

また,子供を連れだし,環境が整っていたとしても,それだけでいいということにはなりません。詳細は,次の⑶を見ていただければと思います。

 

(3)親権・養育費

子どもを連れて別居できず,妻が子供を養育することになった場合,妻の側が親権者となることが多いです。

仮に子供を連れだした場合でも,子供を連れ戻すための法的手続が存在するため,連れ出すことができたとしても,必ずしも夫が継続して子供の世話をできるかは残念ながら未確定です。

妻が離婚後も子供を養育する場合,離婚ができたとしても,子供が成人するまで養育費を継続して支払うこととなります。

関連記事:離婚慰謝料はどう決まる?子供の有無で変わる金額と条件

 

4 まとめ

ATM扱いをされるようなことがあった場合には、まずは,妻がなぜそのような言動をするのかをよく話合ってみるべきです。あるいは、その原因が夫側にあって,知らぬうちに妻の心情を傷つけて可能性もあるためです。

しかし、いくら話しあっても、妻側がまともな対応をしてくれない,話合いをしてくれないのであれば,夫側の心情をいたずらに傷つけられてしまうだけになります。

そのような場合には,離婚という選択肢を考えられても良いのかもしれません。そして,離婚に向かって進むことを決意されたのであれば,まずは別居を検討することが大事です。

ただし,別居の際には,種々のリスクを背負う可能性があります。

どうすればいいのかはケースバイケースであり,一概にはいうことはできませんので,弁護士に相談いただければ,どこまでのことができそうか,できるとしたら具体的にどのような方法があるか,リスクもリターンも説明できるかと思います。

このコラムの監修者

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