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不倫相手から手切れ金を求められた!支払わない場合・支払う場合のリスクと相場

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不倫相手から手切れ金を求められたらどうする?支払わない場合・支払う場合のリスク

「私は結婚しているのですが、3年ほど関係を続けてきた不倫相手(女性)がいます。最初は、つい出来心から不倫してしまったのですが、現在は妻への罪悪感から不倫関係を終わらせたいと考えるようになりました。先日、不倫相手にそのことを伝えると、手切れ金として100万円を要求されました。私は支払わなければいけないのでしょうか。また、手切れ金の相場はいくらぐらいなのでしょうか。自分勝手であることは承知なのですが、離婚はしたくないため、妻にバレずに不倫関係を解消したいのです。」

目次

1 手切れ金とは?不倫相手が手切れ金を要求する理由

手切れ金とは?不倫相手が手切れ金を要求する理由

不倫相手に支払う「手切れ金」とは、一般的に、不倫関係を終わらせるために支払われるお金のことです。

不倫関係は、男女双方の気持ちが一致しなければ円満な解消が望めません

あなたが不倫関係を終わらせたいと思ったとしても、相手が不倫関係を終わらせたくないと思っている場合、トラブルとなる可能性があります。

不倫関係は男女の恋愛感情や様々な欲望が絡むものであり、配偶者や会社などの周囲にバレたくないという事情もあるため、トラブルに発展しやすいのです。

そこで、円満に不倫関係を終わらせるために支払われるお金が「手切れ金」です。

不倫相手が手切れ金を要求する理由は、自分が不倫関係の解消に納得するためです。

もっとも、不倫相手が手切れ金を受け取ったからといって必ず円満に解決するというわけではない点に注意が必要です。

 

2 不倫相手に手切れ金を支払うべき?支払わない場合のリスクと支払う場合のリスク

不倫相手に手切れ金を支払うべき?支払わない場合のリスクと支払う場合のリスク

(1)法律上の義務はない

不倫を終わらせるための手切れ金の支払いは、法律上の義務ではありません

不倫によって発生する法律上の義務は、不倫の当事者がその一方もしくは双方の配偶者に対して精神的苦痛を賠償するために慰謝料を支払う義務のみです。

たとえば、夫が不倫している場合には、夫とその不倫相手が妻に対して慰謝料を支払うことになります。

裁判において、不倫解消にともなう手切れ金の請求が認められることはありません。

不倫の当事者間で慰謝料請求が認められる場合とは、一方の他方に対する不法行為が認められるような例外的な場合に限られます。

たとえば、あなたが不倫相手に対して既婚者であることを隠していた場合には、貞操権を侵害したとして、相手からの慰謝料請求が認められる可能性があります。

関連記事:既婚を隠して付き合ってたけどバレた男の対処法4選

 

また、不倫相手を妊娠・中絶させた場合にも慰謝料請求が認められる可能性があります。

関連記事:不倫相手が妊娠!どう対処すればいい?中絶・出産どちらも慰謝料請求される?させた夫、知った妻の対応をそれぞれ解説

 

(2)支払わない場合のリスク

手切れ金を支払う義務がないため、あなたが支払わないという選択をすることは可能です。

もっとも、相手が手切れ金を要求しているにもかかわらず手切れ金を支払わない場合、さらなるトラブルに発展する可能性があります。

実際、以下のようなリスクが考えられます。

 

①周囲に不倫の事実をバラされる

配偶者や会社などに不倫の事実がバラされる可能性があります。

配偶者にバレると離婚になる場合があります。

不倫(不貞行為)は、法律で定められた離婚原因であるため、配偶者から離婚を求められて、離婚が認められる可能性があります。

しかし、配偶者が不倫の事実を知れば、不倫相手に慰謝料を請求する可能性は高いです。

そのため、不倫相手としても敢えて配偶者に不倫していた事実をバラしに行くとは考えづらいです。

他方で、夫婦関係を破綻させるために、あえてバラすことも考えられますので、不倫相手の性格や考え方にも考慮しておく必要があります。

ところで、会社にバレると会社内での信用が低下する可能性があります。

不倫相手を名誉棄損で訴えることによって、金銭賠償が認められる可能性はあるものの、一度低下した信頼を取り戻すことは難しいかもしれません。

とはいえ、会社に不倫の事実がバラされても、プライベートな事柄であるため、会社から何らかの処分を受ける可能性は決して高くはありません。

以上のことからすれば、配偶者や会社にバラすと言われて、不倫相手から手切れ金を求められても、毅然としてお断りすることも一つです。

このような相手の言動は、脅迫罪(刑法222条)や恐喝罪(刑法249条)といった犯罪行為にあたる場合があります。

 

②付きまといなどの犯罪行為を受ける

相手が不倫関係の解消に納得できず、付きまとうようになったり、家庭に危害を加えるようになったりする可能性があります。

いうまでもなく、これらは犯罪行為にあたります。

しかし、関係を解消するにあたって、一方の態度次第では相手が自暴自棄となり、犯罪行為に発展してしまうことも珍しくありません。

 

③不倫関係を終わらせることができない

相手が手切れ金を要求しているにもかかわらず、あなたが支払わない場合、結果として不倫関係を終わらせることができない場合があります。

あなたが一方的に終わらせようとしても、相手から連絡がきたり、職場で顔を合わせるような関係であったりする場合には、再び不倫関係となってしまうかもしれません。

清算手続きのような区切りがなければ、お互いきっぱりと関係を終わらせることが難しい場合もあるでしょう。

 

(3)支払う場合のリスク

手切れ金を支払う義務はありませんが、あなたの意思で支払うという選択をすることも可能です。

もっとも、手切れ金を支払う場合であっても、以下のようなリスクがあります。

 

①再びお金を要求される

一度手切れ金を支払ったとしても、相手が再び要求してくる場合があります。

相手が「金額が少なかった」とか、「納得できないからもう100万円支払わないと周囲にバラす」と言ってくるような場合です。

このような相手の言動は、脅迫罪(刑法222条)や恐喝罪(刑法249条)といった犯罪行為にあたる場合があります。

しかし、不倫相手は、あなたが大ごとにしたくないということを知っています。

そこで、再びお金を要求してくる場合があるのです。

 

②周囲に不倫がバレる

あなたは手切れ金を用意するために、銀行預金から出金したり、消費者金融や友人から借金をしたりするかもしれません。

そのような事実や記録から、配偶者や会社に不倫が発覚する可能性があります。

また、相手が手切れ金を受け取ったとしても、周囲にバラさないという保証はありません。

手切れ金を支払ったとしても、不倫がバレてしまうこともあります。

 

3 不倫相手に支払う手切れ金の相場は?

不倫を終わらせるための手切れ金に相場はありません

上でも述べたように、手切れ金の支払いは、法律上の義務ではありません。

裁判で認められることはなく、判断基準もありません。

手切れ金は、不倫当事者の話し合いによってのみ決まります。

当事者の経済力や具体的事情から、不倫を終わらせるためにお互いが納得する金額を取り決めることになります。

 

4 不倫相手に手切れ金を支払う場合の注意点

不倫相手に手切れ金を支払う場合の注意点

(1)示談書(合意書)の作成する

手切れ金を支払う場合には、示談書(合意書)を作成するようにしましょう。

示談書を作成することで、お互いに「不倫が終わった」という認識をもち、きっぱりと不倫関係を終わらせることができる可能性があります。

また、追加の支払いを要求されるといった今後のトラブルに発展する可能性も低くなるでしょう。

示談書には、以下のような事項を定めます。

①不貞行為を解消すること

②手切れ金の金額

③手切れ金の支払方法と支払期日

④守秘義務(口外禁止条項)

⑤清算条項 など

 

示談書には、誓約事項を定めることができます。

周囲にバレず不倫関係を終わらせたい場合には、守秘義務を定めることをお勧めします。

場合によっては、接近禁止条項、誓約事項に違反した場合の制裁金条項などを定めましょう。

せっかく示談書を作成したとしても、不倫を完全に終わらせ、その後のトラブルを防止できなければ意味がありません。

示談書を作成するにあたっては、一度弁護士に相談することをお勧めします。

関連記事:不倫慰謝料の示談書の書き方と弁護士の役割

 

(2)配偶者の慰謝料請求権はなくならない

手切れ金を支払い、不倫を終わらせたからといって、配偶者からあなたや不貞相手に対して慰謝料を請求する権利がなくなるわけではありません。

示談したのは、あなたと不倫相手であって、配偶者は関係ありません。

手切れ金を支払ったとしても、不倫が配偶者に発覚した場合には、配偶者から離婚や慰謝料の請求がされる可能性があります。

 

5 まとめ

不倫相手に支払う「手切れ金」とは、一般的に、不倫関係を終わらせるために支払われるお金のことです。

不倫を終わらせるための手切れ金の支払いは、法律上の義務ではありません。

しかし、手切れ金を支払うことによって、円満に不倫を終わらせることができる場合もあります。

手切れ金を支払わない場合のリスクと支払う場合のリスクを理解し、どうするべきか判断してください。

手切れ金を支払う場合には、示談書(合意書)を作成するようにしましょう。

示談書(合意書)を作成したとしても、不倫を終わらせ、その後のトラブルを防止できなければ意味がありません。

示談書を作成するにあたっては、一度弁護士に相談することをお勧めします。

このコラムの監修者

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